BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2009年03月06日(金)掲載

“サッカー人として”
2009年03月06日(金)掲載

結束見守る年の功

 先月(2009年2月)、42回目の誕生日を迎えた。どういうわけか、去年の成績はそれほど良くはないのに、祝福してくれるマスコミの方々は毎年増えている。年を重ねてもいいことはあるんだなと、幸せに感じる。


 注目されるから実感もするし、意識しないといえばウソになる。でも、みんなが思うほど「42歳の現役」をすごいとも、重く感じてもいない。ケガは本当に怖いけれど、もう少し厳しく扱ってくれてもいいと自分では思うくらい。今でもできる限りみんなと同じ時間、同じ練習をして、同じタイムで走りたいしね。


 若いころのようにがむしゃらにはやらないけれど、質の高さは追求してきた。有酸素運動と無酸素運動を区切り、意義付けてきっちりやったということ。現にスタミナを測るテストではチーム上位だし、数値も日本代表と同じくらいだ。


 これは今まで自分を追い込んできた蓄えがあるからでもある。与えられた通りにやるのでなく、どこかで自分と闘い、追い込むことで身に付くものがある。そうしてきたからこそ、今でもちゃんとした成果を出せるというか。カズさんはあまり動かないのかな、思っていたらしいある新加入選手は「全然違う。練習でもあんなに走れるなんて」と言っていたよ。


 8日(2009年3月8日)の開幕戦は反町康治監督率いる湘南ベルマーレとだ。反町さんは北京五輪での経験があるし、すごく研究熱心。キャンプで宮崎にいたころから、反町さんの知り合いがどこかで見ているんじゃないかと気になったくらい。うちのやり方は全部知られているだろう。でもサッカーはそこだけじゃない。


 勝負だから勝ちも負けもある。積み上げてきたものを1試合や2試合で崩しちゃいけない。どのチームもキャンプでまとまりができる。それが一年続くチームは強い。でも、まとまりははがれがちになる。試合に出る選手と出ない選手でだんだんと分かれてきて、監督のことを疑ったり、仲間を信頼できなくなったり……。これって一般の企業と一緒なんだろうね。


 だから結果が出なかったときこそ、ぶれないように。ピッチに立てば年齢は関係ない。ただ、そのために僕のような存在がいるといっても大げさじゃないし、僕の経験を生かしていきたいと思っているんだ。