BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2010年02月05日(金)掲載

“サッカー人として”
2010年02月05日(金)掲載

今季は「自分勝手」に

 お久しぶりです。新しいシーズンが始まりました。オフの間は、なんだか荷造りばかりしていた気がします。ブラジルにグアムと、移動のたびにスーツケースに入れて、出して。何事もきっちりしないと気が済まないたちなので、シャツは新品同様の状態に整え、モノの詰め込み方もこだわって……。繰り返していたら疲れちゃいました。でも、体調はいいですよ。


 さて、横浜FCの今季最初のミーティング。新加入の選手とスタッフが前へ出てあいさつする。見渡すと、僕ら残留組の方が少数派になってしまった。それもあって「様変わりした新チームはどうですか?」と感想をよく求められる。でも、サッカーはこれが通常なんだよね。ブラジル・サントス時代には、キャンプで一緒に準備してきた監督が開幕戦前日に引き抜かれるなんてこともあったから。


 そんな変わることが常の世界で、人が入れ替わっても変わらないものもある。面白いことに内紛を起こすチームは、メンバーが替わっても似たような内紛を繰り返すんだ。ロスタイムの奇跡を呼び寄せるのは、なぜか特定のチームばかりだったりする。ヴェルディ川崎は監督や選手が入れ替わっても、常にパスサッカーだった。サッカーのスタイルが緑のユニホームに住み着いたかのように。


 勝ち運に恵まれていた選手があるチームに来たとたんに武運に見放されたり、その逆があったり。クラブに住み着く天使と悪魔がいるのかもね。横浜FCにとってこの数年は苦難続き。今年こそ天使にほほ笑まれるようにならないと。


 クラブの成績も価値も士気も、油断していると落ちるだけ落ちる。それがこの2年間、僕が学んだことだった。「もうこれ以上は悪くならないだろう」と思えるときでも、気が緩めばさらに悪くなることがありうることを知った。気が引き締まるのが開幕前の今だけではダメ。春先でもシーズン終盤の秋口でも、変わらぬ気持ちと姿勢でピッチに臨むべきものなんだ。


 僕自身については、少し「自分勝手」になろうかなと思っている。チームのためを思うあまり、プレーが遠慮がちになっている気がしてね。自分のやりたいプレーに徹したい。それでダメなら外してくれてもいい。そのくらいの意気込みで挑む一年にするよ。