BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2008年10月10日(金)掲載

“サッカー人として”
2008年10月10日(金)掲載

ゴールは心技体の結晶

 どうして日本代表であれだけ点を取れたのか、ときどき自分でも不思議に思う(89試合55得点)。もともとはウイングとしてゴールをアシストするのが役割。ブラジル時代は「ドリブルはうまいのに、何でそんなにシュートが下手なんだ」と言われて、「オレにはドリブルがあるからいいんだ」と答えていた。


 今思えばそれが逆に良かったのかもしれない。最近の選手は多くのことを教えられて、表現は悪いけれど器用貧乏になっている気がする。ドリブルでボール扱いを磨けば、シュートは後からでも上達する。現に僕の役割がストライカーになったのは25歳のころだ。


 僕にとって大きかったのは代表で先発起用し続けてもらえたこと。オフト監督時代から岡田武史監督の下でのフランスワールドカップ(W杯)予選までほとんどがフル出場で、信頼されているという安心感が結果につながった。最近の代表は試合ごとに2トップの組み合わせが変わる。力のある選手が増えたのか、絶対的なFWがいないからなのかは難しいところだけれど。


 ゴールを狙う意識がなければコンスタントに得点はできないし、意識が強すぎても力みになる。FWは精神面が重要で、それを実感したのは1997年のW杯最終予選初戦のウズベキスタン戦。当時の僕はキレがないと言われていた。実際に当日の朝も試合直前も体が重く感じて、自分でも不安だった。それがフタを開けてみれば4得点。


 きっかけは開始直前に(城)彰二と二人でボールに手を置いてひざまずいたとき。ウォーッという歓声が聞こえてテンションが上がった。そして最初にボールに触ったとき、気持ちも体もグッと前に出た。その後はいい意味で何も見えない状態。もともと監督の指示や戦術はまったく頭に入っていないけれど、何も気にならず体だけが自然に動く感じ。一種のトランス状態で失敗も怖くない。


 コンディションが悪い中でも最高のパフォーマンスになったのは、心技体のバランスがうまくかみ合ったから。どこかでボタンを掛け違えるとすべてがうまくいかなくなるし、うまくはまればポンポンとリズムに乗れるものだ。来週のウズベク戦、今回の代表選手たちもぜひゴールを重ねてほしい。