BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2022年08月12日(金)掲載

“サッカー人として”
2022年08月12日(金)掲載

鈴鹿として止まるわけにはいかない

 サッカーに絶対というものはないんじゃないかと思っている。そのなかでチームや選手は「これをやればうまくいく」と確信を持てる型を、毎日毎試合探りながら、つくり上げていく。


 僕ら鈴鹿ポイントゲッターズはそんなスタイルを確立すべく模索している途上でもあるだろう。中断期のここまで7勝3分け7敗。当初から、秋口まで五分でいければ悪くないと思っていた。そこから迷いなく勝ち進めるチームが昇格にたどり着けると、J2で昇格レースを何度も経験した僕には実感があるから。


 横浜FCがJ2から昇格できた2006年は、前半を0-0でやり過ごせさえすれば勝てるというパターンができていた。GKを中心にしのいでいれば、どこかで一撃を食らわせ競り勝てるという割り切り。1点差勝ちが多かった。0-0で試合を折り返すと、「まずい……」と相手がひとりでに焦りだすのが面白いように分かった。こうなると強い。


 ただし「スタイルがないのがスタイル」というチームもそれはそれで侮れない。同じ横浜FCは2018年、昇格プレーオフ2回戦で東京ヴェルディ(東京V)に敗れ、その東京Vがジュビロ磐田との決定戦に進んだ。最終的に勝った磐田では戦前に「東京Vの方が戦いやすい」との分析があったと聞く。理由は「東京Vはどう戦ってくるか、ある程度読める。横浜FCは何をしてくるのか、よくわかんない」。


 あの年は型というよりは外国人の個が押し出されてはいて、監督なりにスタイルは持っていたはずなのだけど、相手には伝わらなかったみたい。


 選手からすれば、何をしなければいけないかが整理されている方がグラウンド上でやりやすい。結果が自信につながって「これをやればOK」というフォームみたいなものが固まれば、サッカーは楽だ。


 僕自身も歯がゆい離脱期間が続いていたけれど、8月5日からは部分的に練習にも合流、公式戦再開までの練習試合でプレーできる状態にするべく調整していくよ。


 J3参入資格で失格となり、JFL4位以内でも今季の昇格はなくなった。でも、Jリーグを目指すクラブでなくなったわけじゃない。一定数のお客さんが変わらず見に来てくれている。スタジアム構想など行政も理解を示してくれている。ここで僕ら現場が活気を失ってじり貧になるのでは、動き出した希望も逆方向へ回り始めてしまう。


 チームや経営陣がしっかりと方向性を示して結果を出していく。まだまだ僕たちは周りを動かす活力となれる。立ち止まるわけにはいかないよ。