BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2021年02月12日(金)掲載

“サッカー人として”
2021年02月12日(金)掲載

形に残る結果を出すために

 今シーズンも変わりなく、1試合でも多く出場するべく、集中してキャンプで自分と向き合っている。


 あるクラブでは宿泊先で一人部屋をあてがいきれず、検査で陽性の選手が出た際に相部屋の選手が濃厚接触者と認定されざるを得なかったと聞く。キャンプ地は人の集まる都市部ではないにせよ、例えばホテルに出入りする人が図らずもウイルスを選手の周りへ持ち込んでしまう可能性もゼロじゃない。そんなコロナ禍ゆえの気苦労はある。


 ただ、僕自身についていえば、いい意味でいつも通り。これといって真新しいテーマを掲げるでもなく、強いていえば「やり過ぎない」ことを心がけているだろうか。ケガを引き起こして時間を棒に振ることは避けたい。でもケガを怖がって足がすくむのもよくない。あえて追い込む日もある。そこは自分との相談だ。


 新しい選手らが加わり、シュート練習ひとつにも新鮮な刺激があり、気合も入る。また新たな競争に身を置くことになる。現役であり続けるということは、競争に自分をさらし続けることであり、この原理は人間を伸ばしてもくれる。


 ただ現時点の手応えがどうかと聞かれれば、まだ競争に加われていないという感じだね。キャンプの日々から少しずつ感じてくる、自分の序列なるものが求めているものより低すぎる。


 情けない。


 このままじゃ、去年から進展がない。


 ある練習試合。ブラジル人のSBが縦を破り、中央で僕が、何をどうやってもゴールができそうなくらいフリーになった。だけど彼は僕を無視して強引にシュート。思わず要求せずにはいられない。「あの状況だったら、パスを出してくれ! お前がゴールしても日本サッカーの歴史には残らないけど、俺にアシストしたら名前は残るから!」。


 まあそこまで考えてくれなくてもいいわけだけれど、そのくらい懸命に1つのプレーに臨もうと思う。さもないと1年なんてあっという間に過ぎ去ってしまう。プレシーズンだと思っていたら、もうポストシーズンが目の前、というくらいに。


 形に残る結果がほしい。現状に甘んじたまま時間を過ごしたくはない。J1の戦場で、自分の立場をもっと上げていく。だからいま、頑張り続けないとね。