BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2006年12月15日(金)掲載

“サッカー人として”
2006年12月15日(金)掲載

 楽しむことの大切さ

 自分たちが目指していたもの、チームの目的である優勝とJ1昇格。それを勝ち取ったわけだから、今年は素晴らしい一年だ。


 今から振り返ると、開幕前のキャンプのころはチーム状態が最悪で、どうなってしまうのかと不安になった。リーグ初戦で愛媛FCに負けたところから、よく軌道修正できたものだ。


 あの状態から優勝する可能性はすごく低かったし、普通は無理。シーズン中にこんなに劇的にチームが変わったのは初めての経験だ。フロントと現場の監督・コーチ、医療スタッフや選手が全員、危機感を持って戦えたことが素晴らしい。


 足達勇輔前監督には申し訳ないけれど、あの開幕1試合での監督交代という早い決断が良かったのだろう。悪い雰囲気、流れを断ち切るにはそうするしかなかった。フロントが本気で昇格を目指していたからできたことだ。でも、選手みんなは自分たちの責任でもあると感じていた。組織の長が責任を取らされるのは、勝負の世界では仕方がないこと。それでも監督一人の責任であるわけがない。


 個人的には試合に出られない時期もあった。もちろん気分は良くないけれど、そんなときでも情熱を持って練習に取り組めた。試合に挑む気持ち、準備は一年通して変わらなかった。いいときも悪いときも含めて人生、サッカーだから。


 ヴェルディ川崎時代は「絶対に勝てる」という自信、そして過信もあった。京都パープルサンガ、ヴィッセル神戸時代には「勝てるのかな」という不安が常にあった。そして今は「勝ちたいと考えるな。精いっぱい戦うことだけを考えよう」という気持ちだ。だから怖いものは何もない。


 それは去年、シドニーFCでクラブワールドカップに出場したときに教わったことだ。結果よりも自分が楽しむことが大切。そして楽しむ=一生懸命やるということだと。それを実行できたことが今につながっている。


 オフの間も常に体は動かしておくつもり。最終戦で痛めた右ヒザがまだ少し痛むので無理はできないけれど、卓球でもバドミントンでもスカッシュでも、とにかく運動をしておけばその後が楽だから。年末年始の遊びも今年は控えめにしようかな。