BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2014年09月19日(金)掲載

“サッカー人として”
2014年09月19日(金)掲載

2試合で評価は早い

 自分の日本代表での経験でいうと、ファルカン監督は前の代のオフト・ジャパンをかなり変え、壊してでも新しいものを打ち出した。その次の加茂周さんは最初にファルカン以前の「ドーハのメンバー」を呼び戻し、そこから組み立てた。最終的にメンバーはだいぶ変わるのだけど、持って行き方はゆっくり。ザッケローニ監督もそうだったね。


 アギーレ監督もファルカンのように自分の色やポリシーをすぐ出してきた感じがする。サッカーのやり方もガラッと変わり、ザックさんとまた違うアプローチが楽しみでもあるだろう。でも代表は時間がありそうで、そんなにない。1月のアジアカップまでにいろんなことは試せない。


 加茂さんの初陣も1月のインターコンチネンタル選手権(サウジアラビア)だった。三が日明けに集合した面々は元日に天皇杯を戦った選手もいれば休み明けの人もいて、僕はシーズン中のイタリアから合流。状態がバラバラのままほぼキャンプなしで強豪と戦う。そりゃあ厳しい(2連敗)。


 僕はジェノアで試合に出始めたころ。確固たる地位までは築いてなかったから、招集レターが届いたとき監督に「行くな」と言われればイタリアに残るつもりだった。でも「俺に権利はない。お前が決めろ」と言われてね。代表で2週間離れたらベンチ組に戻っていた。いまの欧州組も1月の招集には迷うのが本心と思う。


 「代表らしいプレー」というものがある。先日の親善試合は若いデビュー組が躍動した。ただプレー全体をよく見ると、つまらないミス、代表で起きてはならないプレーもしている。世代交代は避けて通れないし、最終的にワールドカップ(W杯)に誰が立つのかは分からない。でもそこにたどり着くまでの道中で顔ぶれはまだ入れ替わるはず、というよりそれが必要じゃないかな。今回は招集外でも経験豊かな選手が時々で加わって、様々な力を伝えるべきなんだろう。


 ともあれ2試合であれこれできるものでもなく、評価をするのはまだ早い。あれこれ言う方もいますが、選手自身は外の騒ぎを気にかけないもんです。僕も1997年W杯予選のとき「カズ 孤立!」と書かれたけど、本人にその感覚はまったくなし。今にして思えば確かに僕のテーブルにはヒデ(中田英寿氏)しかいなかったけれどね。ははは。