BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2006年11月17日(金)掲載

“サッカー人として”
2006年11月17日(金)掲載

クラブW杯で見る世界

 クラブチームの世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)に昨年はシドニーFCの選手として、今回は大会親善大使として参加することになった。


 実をいうと、親善大使を務めることに僕はあまり乗り気じゃなかった。来月の大会開幕直前まで、僕はJ1昇格が懸かった大事なリーグ戦に集中している。そんな状況で中途半端に引き受けるのは失礼だから。


 渋っていたら国際サッカー連盟のブラッター会長から僕の自宅に直接、就任要請の手紙が届いた。可能な範囲でかまわないので協力してほしい、と。そんな経緯もあって引き受けることを決めた。大会を盛り上げるために少しでも力になれたらいいと思う。


 2試合に出場した昨年は世界一を決める舞台に立つ喜びを感じたし、本当に楽しかった。どのクラブも大陸代表の誇りを懸けて真剣に戦っていた。実力的には欧州と南米が抜けているけれど、その中でもブラジル勢は前身のトヨタカップ時代から本当に勝負強い。


 ブラジル人は自分たちがサッカー界のトップで、欧州サッカーを盛り上げているのも自分たちだと自負している。レアル・マドリードのロナウドやロビーニョ、バルセロナのデコもブラジル出身だからね。クラブW杯で優勝すればそれを証明できる。そんな気持ちをぶつけてくるんだ。


 ただ昨年、選手として残念だったのは、お客さんの数。W杯並みに、とは言わないまでも、観客席の8割くらいは埋まってほしい。そうすればもっと緊張感が高まって、もっといい試合になる。


 会場に足が向かないのはエジプトや中南米のクラブになじみがないことも一因だろう。そのせいで実力を正しく認識していない人が多いようだけれど、実際は強いんだということをこの大会で知ってほしい。試合を見れば、レベルの高さを実感できるはずだ。


 日本でも、クラブW杯に出るためにJリーグで優勝したいという選手が増えていくと思う。ただ、今年8月にガンバ大阪が韓国・蔚山に0-6でショッキングな敗戦を喫したように、その道のりは険しい。アジアを制するために各クラブがもっと補強をして、優秀な外国人選手がたくさん日本でプレーするようになればいいね。