BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2012年08月03日(金)掲載

“サッカー人として”
2012年08月03日(金)掲載

2週間に一度のお祭り

 中盤にさしかかったロンドン五輪では男女のサッカーがそろって決勝トーナメントに進んだ。選手たちの活躍を祈りながら、僕は連日の猛暑の中でチームの練習に汗を流している。


 夏の練習はやっぱり大変で、同じことを繰り返して積み重ねていく作業はつらいものだ。体もきついし、メンタル面もきつい。冬場や涼しい時期と同じような走りはどうしてもできないし、体力任せにやっても持たないから、アタマと技術を使ってやらないといけない。


 一年を通した練習の積み重ねは大事だけれど、消耗の激しい夏場にやり過ぎてしまうとマイナスの蓄積も大きくなってしまう。だからといってダラダラやっていたら集中力もなくなるしね。そのあたりをうまく調整しながら、キレのある練習を手際よくやらないとだめだ。


 ただし、どんなに暑くても試合となると気分は別。やっぱり選手にとって試合は一番楽しい。お客さんが自分たちのプレーを見るために集まって応援してくれる。いい雰囲気の中でサッカーができるんだから、こんなに楽しいことはない。五輪真っ最中だが、8月もJ2は5試合あって、僕らはそのうち2試合をホームで戦う。


 4年に一度開かれる五輪が世界のお祭りなら、リーグ戦のホームゲームは2週間に一回やってくる地元のお祭りだ。欧州やブラジルの人たちはそれを楽しみに生活している。地域に根差したクラブづくりを目指しているJリーグも、お祭りという位置付けで注目される存在にならないといけない。もしそうなっていないなら、まだ努力が足りないということだろう。


 たくさんの人が熱狂する五輪だって、最初からこんなに世界的に知られていたわけじゃないと思う。10年たち20年たち、100年以上の歴史を重ねる中で大きくなってきたわけだから。Jリーグも同じように積み重ねて、本当にみんなが楽しめるリーグにしていかなければ。


 スタジアムでリーグ戦を観戦した親子連れが「次の試合、横浜FCはどうなるんだろうね」という話題で盛り上がりつつ、家ではテレビで五輪代表の試合に声援を送る。そうやって両方のお祭りを楽しむ雰囲気が出来上がるといいね。