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「サッカー人として」第26回 三浦知良


責任なすりつけ禁物

 J1で2試合目の横浜M戦、横浜ダービーで初勝利を飾ることができた。粘り強く守り抜くウチらしい勝ち方だったし、自信にもなった。かと思えば、翌週の川崎戦では0―6の大敗。自分たちの良い面をまったく出せなかった。

 どちらの試合も今のチーム力が表れたんだろう。一つ勝ちホッとした部分、油断があったと言われても仕方ない。そこがJ1でトップクラスのチームと、昇格したばかりのチームの精神面の差なのかもしれない。これも勉強。7点差で負けなくてよかったくらいの前向きな気持ちも必要だ。

 ただ、そういう僕もプロとして恥ずかしい気持ちはある。同じプロなのに6点も奪われて負けるのは情けないことだ。選手一人ひとりがそうした自覚を持って、自分の責任を感じなければいけない。監督がどうだとか、あの選手がどうだったとか他人のせいにするのが一番良くない。みんなそれぞれ足りなかった部分があるはずだ。

 まず自分を省みること。それは多分、サッカーに限った話じゃない。「上司がちゃんとしてくれないから失敗した」とか、「僕はできるのに、あの人のせいで仕事がうまくいかない」と、常に誰かに責任をなすりつける人が会社にもいるんじゃないかな? そんな人と、「他人はともかく、自分のここがダメだった」と考える人の差は歴然と開いていくような気がする。

 チームが勝ったことだけで、充実感が得られるわけじゃない。横浜M戦で初勝利はうれしかったけれど、僕は後半途中で代えられたことが悔しかった。

 自分の出来が良かった試合でも必ず反省点はある。その直後は余韻に浸っていても、家に帰って時間がたつと、あの場面でミスがあったと悔しさがわいてきたりする。しっかり反省できる人間がそろっている集団は強くなる。

 どうすれば自分がレベルアップできるのか、常に考えないといけない。僕が横浜FCの若手に、ベテランを追い越すくらい伸びてほしいと願っているのも、彼らと切磋琢磨(せっさたくま)することで自分の力もアップするからだ。「人のため」であるのと同時に「自分のため」。それでチームは成長する。プロとはそういうものなんだ。(元日本代表、横浜FC)

(日本経済新聞、2007年3月23日掲載)


※このテキストを三浦知良および日本経済新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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