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「サッカー人として」第4回 三浦知良


負け慣れせず試合に集中

 J2開幕戦の結果については、恥ずかしいというのが率直な気持ちだ。Jリーグに加盟したばかりの愛媛に敗戦。開幕に向けてずっと準備してきたのに、あんな結果しか出せないなんて。勝利に導けなかった自分にも腹が立つ。試合中は負けるとは思わなかったし、焦りもなかった。後半15分くらいからは相手ペースだったけれど、最低でも引き分けに持ち込まないと。

 でも、これがウチの力かな、とも思った。点を取られると崩れてしまうのは去年と同じ。それは選手みんながわかっているはず。技術、戦術、体力、集中力、経験。全部が平均して低いのかも。正直言って、今年のチームに関しては開幕前から不安だらけ。始動からずっと手応えが感じられず、まずいなと思っていたんだけれど……。

 足達監督の解任については、フロントが去年からの結果と流れをみて決めたこと。もちろん責任はチーム全員にある。開幕1試合での解任だから驚きがあったんだろうけど、僕はブラジル時代、開幕前日に監督が他チームに移ったこともある。昨季の神戸でも監督解任劇があった。今のチームの雰囲気はそのときと似ている気がする。一番良くないのは、慣れてしまうこと。監督交代にも、負け続けることにも。それが弱いチームの典型的なパターンだから。

 とにかく僕たちは前を向いてやるしかない。そして試合に出ていた自分たちの責任をどう考えるか。やっぱりグラウンドの上で取り返していくしかない。勝敗だけじゃなく、どれだけ一生懸命やれたかということも含めて。

 高木新監督から言われたのは、僕にはグラウンドの中の仕事に集中してほしいということ。ただ監督補佐という立場もあるし、気が付いたことは言っていくつもりだ。

 今できるのは、体調を整えて試合に全力を尽くすこと。急にうまくなれるわけじゃないし。選手みんなが今どう考えているのかはわからないけれど、僕は目の前の試合を精いっぱいやってグイグイ引っ張っていくつもり。勝つために90分間、強い気持ちでね。

(日本経済新聞、2006年3月14日掲載)


※このテキストを三浦知良および日本経済新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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