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「サッカー小僧」第53回


1対1/勝負する勇気 道は自分で切り開く

 オランダで開催されているワールドユースを見ていて面白いのは、どのチームも、その国のフル代表に似たサッカーをしていること。監督や戦術は違えど、“お国柄”が出ているね。

 U―20(20歳以下)日本代表は3バックでやっていて、DFの動き方が宮本選手や中沢選手みたい。やはりフル代表を見て育っているから、組織的に守る意識が強い。

 一方、1次リーグで対戦したベナンは本能でサッカーをやっている感じ。試合内容に両チームの差はなくても、個々のプレーを判断すれば、アフリカ人の方が怖さがあるし、目を引く。たとえ日本が勝っても、欧州のスカウトならベナンの選手をほしがるだろうね。

 今、中田英選手が1対1で負けないことの大切さを盛んに言っている。勝負する勇気だったり、個性を出す気持ち…。グラウンドの中でどんなに味方と言い合いをしても、いいプレーができる精神的な強さを強豪国は持っている。

 周囲に気遣うことが日常生活でプラスに働くことも多くあるけど、サッカーで個のレベルを上げるには、エゴイストな部分も必要になる。自分の道は自分で切り開く。僕がブラジルにいたころは、ポジションがウイングだったし、1対1で勝負するのは基本だった。

 欧州や南米の選手は「取られてもガンガンいく」、日本の選手は「取られるならパスを出す」。日本のFWに物足りなさを感じるのは、この基本的な考え方が影響している。浦和のエメルソン選手は突破力があるけど、走るだけなら彼と張り合える日本人はいる。強引さはU―20を見ていてもまだまだ。森本選手なんかにはスピードと強引さを常に試してほしい。

 そんな中、ドリブルでどんどん勝負していく家長選手のような面白い存在もいる。組織の中に埋もれないよう、個を伸ばすべき。それは指導者の役目でもある。(隔週金曜日に掲載、次回は7月8日)

(神戸新聞、2005年6月24日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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