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「サッカー小僧」第51回


−サッカー人−引退してもなお続く伝道師の役割

 パトリック・エムボマ氏が現役を引退した。素晴らしい実績があり、尊敬するFWだったと思う。本当にお疲れ様でした。神戸では一度も先発で組むことはなかった。もし実現していれば、経験を生かしたFWの面白さを見せられたと思うし、残念でならない。

 これまでラモスさん、木村和司さん、キーちゃん(北沢豪)、井原正巳氏、そして元フランス代表のパパン氏の引退試合に参加した。どれも印象的だけど、やはりサッカー文化の根付くフランスでの試合はパパン氏への尊敬心にあふれていた。

 マルセイユのスタジアムを満員の5万人が埋めた。まず、1992−93年のチャンピオンズ・リーグで優勝(国内リーグでの八百長が発覚し、はく奪)した一番強いころのマルセイユのメンバーと現マルセイユが対戦。すでに引退していたカントナ氏も駆け付けた。

 第2戦はジダンらフランス代表が全員顔をそろえ、世界選抜と戦ったんだ。僕はクロアチアから参加し、功労者に対してのリスペクトはすごいなと感銘を受けた。

 面白いことに各時代の名選手が自分の付けていたエースナンバーを背負うから、11番が3人いたりしてね。パパン氏がACミランに在籍していたこともあり、マルディーニらイタリアの名選手の姿もあった。本当にみんなで協力し合い、パパン氏を送り出そうという感じだったね。日本も、そうなる必要がある。

 引退するのは寂しいというイメージがあるけど、これからも「サッカー人」としての役割がある。選手として、より多くの栄光と挫折を知る人はサッカーの道を極めていかなければならないと思うんだ。

 パトリック氏をはじめ、サッカーに学んだことは大きいだろうし、現役から離れたときに伝道師として若い世代にいろいろ教えることがあるんじゃないかな。人生を含めたサッカーというものをね。(隔週金曜日に掲載、次回は6月10日)

(神戸新聞、2005年5月27日掲載)


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