−無観客試合−本当に残念 サポーターも考えて行動を
僕の中で印象に残っている声援がある。18歳でブラジルのジュニアの大会に出場したときのこと。プロへの登竜門、日本でいう野球の甲子園みたいな大会かな。サントスの一員として戦い、観客席にはプロチームのサポーターが来ていた。
絶対に勝つか引き分けなきゃいけない予選リーグの2試合目で、試合終了間際に僕がドリブルで持ち込んでPKを奪った。昔鹿島にいたマジーニョがそれを決めたとき、場内は「カズコール」一色だったんだ。ブラジルはアシストした選手が、すごく評価される。自信になったね。
お客さんの持っているパワーが作る雰囲気ってあるよね。2月に埼玉であったワールドカップ・アジア最終予選の日本―北朝鮮戦だって、試合終了間際の大黒選手(G大阪)の決勝ゴールは、サポーター全員の気持ちがこもっていた。
だから、6月のアウエーの北朝鮮戦が「無観客での第3国開催」に決まったのは残念だった。
国際サッカー連盟(FIFA)はファウルへの厳しいジャッジを審判に求める中で、判定を不満とする様々な出来事に敏感になっている。サポーターが試合後に審判を待ちぶせして囲むとかね。
お金を払って試合を見に来て、内容がつまらないとか、応援しているチームがふがいないという理由でば声を浴びせたり、ブーイングをするのは、いいと思う。選手は我慢しなければならない。
ただ、勘違いしちゃいけない。一歩スタジアムから出たらおしまい。もちろんスタジアムの中でピッチになだれ込んだり、物を投げつけるのもだめ。この前、柏でもけが人が出たよね。健全なスポーツの場で暴力行為は許されない。
無観客は日本、北朝鮮の両国にとって損だし、テレビで見る人の興味は引くけど、さみしいだろうね。サッカー界にとってマイナス。みんなそれをしっかり考えて行動しないとね。(隔週金曜日に掲載、次回は27日)
(神戸新聞、2005年5月13日掲載)
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