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「サッカー小僧」第49回


−新指揮官−厳しく信念を貫き妥協許さず

 松永監督が解任された。試合に勝てないのは選手にも責任があるけど、悪い流れを食い止めるために20人の選手を入れ替えるのは不可能でしょう。何を代えるかといったらそこしかない。そんなリスクを背負いながら最初から契約しているのが監督。だからこそ全権が委任されていると思う。

 新監督のレオンとは1996年のV川崎(現東京V)時代に一緒に仕事をしたことがあって、選手だけではなく記者に対してもすごく口うるさい。僕の知る彼はピアスや長髪はもちろんだめだったし、練習量は本当に多かった。そして自分の信念を絶対に曲げない。

 リーグで僕が得点王争いをしていて、ある試合の前半で2得点して引き上げてきたら「お前得点王になりたくないのか。何点決められたと思ってるんだ」と言われた。結局、後半にも1得点してハットトリックしたんだけど、「6点は入れられたぞ」と真顔で怒られたことがある。

 彼の中にはGKと1対1になったときのマニュアルがあって、2得点した天皇杯の初戦で僕がそれをできなかったときには「俺が言った通りにしていれば3点入れられた」って言われてね。それぐらいパーフェクトを求められる。

 聞いた話だと、ブラジルで試合に勝った帰りの移動バスにクラブの会長が友達を連れてきたとき、レオンは「降りろ。降りないなら俺が降りる」と許さなかった。相手が会長であれ容赦ない。

 この前サンパウロを州選手権で優勝させ、もうすぐブラジル選手権が始まる時期だというのに、神戸からオファーが届いたら、やりたい方を選ぶ。スーツケース一つで、どこにでも行く準備ができている。真のプロフェッショナルなんだよ。

 でも、レオンが来るから「ちゃんとやろう」というのはおかしい。彼が勝たせてくれると思ったら大間違い。一人ひとりが何が足りないか考え、やり直さなければいけない。(次回は5月13日)

(神戸新聞、2005年4月22日掲載)


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