LOCKER ROOM


「サッカー小僧」第44回


−地元密着−クラブ存続へ求められる集客の努力

 いかにお客さんにスタジアムまで足を運んでもらうか。今その重要性をすごく感じている。仮に2万人収容のスタジアムが満員になって、外に人があふれたら、その人たちのためにテレビやラジオの放送が始まり、看板広告とか付属の効果が出てくる。僕らの小学校訪問もそうだけど、集客につなげる努力は永遠に続けなくてはいけない。

 これからの日本のプロスポーツは、ヨーロッパのサッカーやアメリカのメジャーリーグが手本になって、地元に愛されていかなければならない。プロ野球と違い、サッカーは降格があって企業の宣伝効果が低くなる可能性があるから、地域に密着していないと長くクラブが存続しない。イタリアの名門フィオレンティーナも一度は倒産しながら、地元の後押しを受けてはい上がってきた。あれが本来のクラブのあり方だと思う。

 日本だと、J2だったらスタジアムが悪いんだろうなとかイメージがあるけど、海外は違う。2部のチームでも立派なスタジアムを持っている。それは100年の長い歴史の中で、そのチームがたまたま低迷している時代だからかもしれない。僕がいたジェノアだって2部に落ちてから10年たつけど、1部のサンプドリアと同じスタジアムを使っている。Jリーグもだんだん歴史を積み重ねてそうなると思う。

 これから、サッカーも野球も共存していくわけで、地元の人たちを呼ぶという目的は共通している。互いのクラブのマーケティングのプロはサッカーから野球に移り、野球からサッカーにも移るというようにトレードがあっても面白い。

 J1、J2が定着し、JFLなどその下の組織も整備されてきた。世界の例を見れば、今J1で優勝を争うチームが、何年後かには最下位にいる可能性だってある。地域リーグからチームを持てば、僕だってオーナーとしてJリーグまで上がれるかもしれない。夢があるよね。(隔週金曜日に掲載、次は12月10日)

(神戸新聞、2004年11月26日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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