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「サッカー小僧」第41回


−イチロー−記録に挑戦続ける彼を見守りたい

 イチロー君がメジャーリーグのシーズン最多安打記録を更新したね。タイ記録の瞬間はテレビの生中継で見た。新記録は食事中で見れなかったけど、観客やチームメート、昔の記録を持っていたシスラーの家族、すべての人たちがつくる雰囲気を感じて、熱く込み上げてくるものがあった。

 彼とは1996年の雑誌の対談で知り合って、何度か付き合いがある。サッカー選手という僕の立場を考えると、ファンのように、その場の結果に一喜一憂してはいけないと思っている。毎日努力することの方が大事だし、僕に対しても、そういう目で見てほしくない。

 それでも、イチロー君の記録に関しては「きょうは何安打だった?」とか、ファン心理に引き込まれてしまった。1カ月ぐらい前から注目され始め、だんだん現実味を帯びていくにつれ、そうやって応援していた。

 次は「打率4割」というのを期待され、「彼しか打てる人はいない」と周囲の目は厳しくなるけど、自分の精神をコントロールし、さらにレベルを上げるための努力を続けると思う。昔言っていたんだけど、本当は彼は「10割打者」を目指しているんだよね。ぱっと見たら「安打製造機、天才打者」という感じだけど、やはり努力の人だと思う。記録と戦いながら野球を続けていく彼を、温かく見守りたい。

 大記録達成の日、僕たちは試合の当日だった。監督が代わって、松山監督代行の下、東京Vに勝ち、その試合に先発で出られたのは非常に大きなことだった。

 自分の役割が分かった試合だったね。周りを生かしながら、前線でチームのバランスをコントロールする。経験を踏まえ、そう変わらなければいけないんじゃないかと。似合わないといわれるかもしれないけど、主役をサポートする役割になっていくのかな。今はチームの勝利を考え、力を生かす。それだけを考えている。(隔週金曜日に掲載、次は29日)

(神戸新聞、2004年10月15日掲載)


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