−球界再編−オーナーの説明不足が問題の原因
スポーツの原点を考えると、自分がやりたいから始めるわけで、一人ではできないから仲間が増える。相手もいなければならないし、それを組織するクラブもでき、応援する人が現れる。一人ひとりが「やりたい」と思わないと成り立たない。経営者、プロとして雇われる選手、ファン。みんな大事な存在なんだ。
ファンのあり方について、プロ野球の再編問題を通じて議論されているけど、立場によって見解は変わる。そういう意味で、今回の問題は、お互いのコミュニケーションが取れていない結果じゃないかなと感じる。
やはり球団オーナーが説明を怠ったということになるんじゃないかな。例えば近鉄は赤字を抑えるため、高騰する選手の年俸を抑えることができたんじゃないか。有力選手を残すために年俸が上がるシステムが問題なら、なぜ選手会と話し合わなかったのか。簡単に言えないことは多いんだろうけどね。ただ、もう上の人間だけで解決できることは何もないと思う。
ファンあってのスポーツといえる一方で、「アンチ」の存在も、すごく大事。人気があるからアンチがいるわけで、結局みんなが興味を持っている証拠。球界では巨人がそういう立場でいいと思うし、今は憎らしくなるほど勝てていないから求心力がなくなってきているんじゃないかな。
1998年のフランスW杯のとき、世の中のアンチ・カズが「代表から外せ」って言っていて、実際に外れると、みんなつまらなくなった。ファンとアンチ、僕は両方に支えられてきた。
けがから復帰してベンチに入った11日のFC東京戦後、試合に出なかったから、体調維持のためにスタジアムでインターバル走をしたんだ。そのときに神戸も、東京のサポーターも大勢残って、ずっと「カズコール」をしてくれた。期待を感じたし、とても勇気付けられた。すごくうれしかった。本当に。(隔週金曜日に掲載、次は10月1日)
(神戸新聞、2004年9月17日掲載)
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