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「サッカー小僧」第37回


−五輪−期待されて 金メダル 国民に勇気

 世間はアテネ五輪一色だね。世界のトップを狙う日本の選手たち、中でも柔道のヤワラちゃん(谷亮子選手)や3連覇した野村忠宏選手、水泳の北島康介選手は、最高でも金、最低でも金というところから始まって、しっかり結果を出した。

 五輪は僕らサッカー選手にとってのW杯みたいなもの。「このチャンスを逃したら終わり」という集大成の場。その中で期待されて金メダルを取る。言葉では表せない素晴らしさがあるね。40、50代に元気がなく、若者が目的もなく生きているような現代で、日本国民を勇気付けてくれているんじゃないかな。

 ヤワラちゃんと野村選手の試合は生中継で見た。夜遅かったけど、国歌を聞き、国旗が掲げられるまで眠れなかった。やはり国歌はいいなと思ったね。あらためて日本代表として戦っていたときのことを思い出した。

 前回のシドニー五輪あたりから、日本選手のメンタル面が改善されてきているように思う。頭をリラックスさせ、内に秘めた闘志を発揮できるようになった。今回は序盤から金メダルラッシュ。28年ぶりに優勝した体操、お家芸の復活はうれしいよね。

 五輪で印象的だったといえば、モントリオールのナディア・コマネチ選手(体操)。実況の「10点!」という絶叫が耳に残っている。陸上短距離のカール・ルイス選手も強かったね。あとはマラソンの高橋尚子選手。4年前、自主トレ中に見ていて、「抜かれるんじゃないか」と、どきどきしていた。振り返ると、勝った人の思い出ばかり。僕は高橋選手のファンだから、今回出られないのは寂しい。

 サッカー男子は1次リーグ敗退だったけど、最後まで勝負を捨てなかったし、悲観する必要はない。この経験は彼らにとって大きな財産だし、悔しさを晴らす場所は次のW杯予選とか、まだまだ残されているんだから。(隔週金曜日に掲載、次は9月3日)

(神戸新聞、2004年8月20日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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