−アジア杯−厳しい環境 勝ち抜けば大きな経験に
アジア・カップが中国で開幕したね。日本は欧州遠征やキリン・カップで欧州の強豪といい試合をしたけど、アジアの国とやると、初戦のオマーン戦のように苦戦する姿が見られるでしょう。
僕は1992年の広島、96年のUAE大会に出場した経験がある。ノーマークだった92年は優勝、96年は前回王者として予選なしで本大会に臨んだ。96年の初戦も苦しかったよ。準々決勝ではクウェートに0−2で敗れている。そのときの監督が今のオマーンのマチャラ監督だった。
欧州の国は日本をそれほど研究してこないし、自分たちのよさを出そうとするんだけど、アジアの国の場合は徹底的に日本を研究し、自分たちのよさを殺してでも日本の持ち味をつぶしにくる。勝つのは相当大変だよ。
欧州で強豪といわれるフランスやイタリアも、そうやって強くなってきた。ユーロの予選なんかも、ぎりぎりで勝ち上がってくる。日本もオマーンに苦労して勝ったことに価値があると思うんだ。すごく暑く、文化も違う中国で勝ち抜くのは大きな経験になる。選手のみんなには、強い気持ちを持って積み上げてきたものを発揮してほしい。
92年の優勝は驚きだったろうね。1試合ごとにサポーターも報道陣も増え、日本が一つになっていくという感じがして面白い大会だった。Jリーグが始まる前の年で、日本サッカーにとって大きなステップになった。個人的にもアジア年間MVPになったしね。
あれから12年、日本のレベルは上がっている。下部組織が、しっかりJリーグで整備され、その結果、ジュニアユース、ユース、五輪代表を含めて戦力の底上げができている。組織が大きくなったね。気が付けば、育成の成果が形となって表面化してきた。
今、プロ野球のあり方が問われるようになって、あらためてサッカーのやり方が理想的に見えてきた部分がある。違うかな?(各週金曜日に掲載、次は8月6日)
(神戸新聞、2004年7月23日掲載)
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