LOCKER ROOM


「サッカー小僧」第32回


−小学校訪問−夢を語る場ずっと続けていかないと

 神戸の選手が地元の小学校を訪問して夢を語り合う「夢で逢えたら」が10回目を迎えた。こういう活動は、神戸という街がある限り、そこにヴィッセル神戸もなくてはならない存在になるために、僕らができる地域への地道な貢献。観客数やクラブの認知度など、すぐに目に見えて数字に表れるものではない。

 若手も積極的に参加して肌でその重要性を感じている。もっと選手個人を知ってもらうのも一つの目的。いつも訪問が終わった後に感想の手紙をもらうんだけど、僕以外の選手のことも「優しい」とか「格好良かった」とか必ず書いてある。

 大きい小さい関係なく、みんな夢を持っているんだなと実感する。テレビや雑誌で見たサッカーや野球の選手とか、普段目にしているものの中から、ぱっと出てきて、漠然と憧れるんだよね。子どものころの特別な出来事はずっと覚えているもの。学校に劇団が来たり、街に歌手が来たりしたことは今も心に残っている。

 2、30年前の僕らとは違って、今は「ジダンみたくなりたい」とか「大リーガーになりたい」とか夢がグローバルだよね。漫才師になりたいなんていう子がいると授業が盛り上がるんだよ。前に出てきて「まだネタがありません」とかプロっぽいことを言って面白い。

 今、多いときは3クラス分の児童を3選手が訪問する形になっている。学校側も気を使ってくれて、体育館や講堂のような広い場所でやったりするけど、理想は教室で1クラスを本当の授業のような形で受け持ちたい。その方が、もっと子どもたちのことも分かる。

 プロクラブは経営がどこも大変で、うちも危なかった。そんな状況で何が支えかといえば市民の声。僕らが子どもに話したことが、親にも伝わってチームを応援しようという気持ちになるかもしれない。もう訪問が始まって1年以上たつけど、ずっと続けていかないとね。(隔週金曜日に掲載、次は25日)

(神戸新聞、2004年6月11日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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