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「サッカー小僧」第31回


−PK−ゴールに刺さればそれでいい

 22日のG大阪戦で決めた今季初ゴールはPKだった。ドリブルで抜きにいってファウルを受けた瞬間、何の疑いもなくPKを確信した。面白いもので調子のいいときや自分で取ったPKは自信を持ってけれる。

 あの試合でバン(播戸)がPKを止められたけど、しっかり決めた清水戦にしろ、ける側に大きな責任がのしかかる試合展開だった。GKとの1対1は、どこに決められようがGKが責められることはないし、ける側が精神的に不利だと思う。

 プレッシャーのかかるPKといえば、フランスW杯アジア1次予選の合間の1997年5月、日本代表監督だった加茂周さんの進退問題が注目されていたころを思いだす。満員の国立競技場で韓国と親善試合をしたんだけど、0−1とリードされた後半42分にPKを奪った瞬間、歓声がうわぁーと響いて、すぐに静まり返った。加茂さんは僕と心中するっていう感じの監督だったこともあって、震えというか独特の緊張感があった。決めたけど、けるとき軸足がずれていたね。

 エースよりもDFやボランチがける方が責任は問われないから、わざと守備的な選手にけらすチームもある。ペレがいたブラジルも、マラドーナがいたアルゼンチンもそういう時代があった。

 僕がイタリアでプレーしている間、古巣のヴェルディではDFのペレイラがPKをけっていた。その後、ヴェルディに復帰してから3試合目あたりで僕がPKを取って、それを止められたんだけど、次の日、当時のネルシーニョ監督から「ペレイラにけらせたら」と言われ、きっぱり断った。エースとしてのプライドがあったんだろうね。ただ、1試合に2本のPKを外したのも、その年だったんだ。

 結局、PKも普通の得点も入ればOK。ボールが弱かろうと強かろうと、真ん中にけろうと、ゴールネットに刺さればそれでいい。(隔週金曜日に掲載、次は6月11日)

(神戸新聞、2004年5月28日掲載)


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