LOCKER ROOM


「サッカー小僧」第28回


−新聞−日本でもより独自の切り口を

 日本の新聞を見ていて、試合内容が分からないことがよくある。もちろんサッカーが国技の国と、Jリーグができて12年の日本では、サッカーに割いているページ数も、記者がサッカーを見ている年数も違うから比較するのは難しいけどね。

 スポーツ紙を読んでいても、スポーツ、芸能、社会面とすべて記事の切り口が同じ。スキャンダラスな見出しで始まって、内容を読むと実際そうでもなかったり。スターを多く扱うのも自然なことだけど、サッカーに関して、もっと独自の切り口が欲しい。

 ブラジルやイタリアの新聞は、日本に比べて記者が自分の意見を主張している。日本の場合は選手に聞いたことをそのまま書いたり、世間の反応を載せる記事が多く、「自分の目線」が少ない。

 良いなら良い、悪いなら悪いとはっきり言うことがお互いを高める上で必要なんじゃないかな。

 僕が1998年のフランスW杯直前に日本代表を外れて帰国したとき、会見で盛んに質問してきたのは皆ワイドショーのベテランリポーターだった。僕を気遣って質問できないでいるスポーツ記者を差し置いて、主役になっていた。はっきり聞いてくれれば、こちらも明確な返答ができる。そのストレートさが、いいときもあるんだ。

 質問も自分の考えを踏まえてしてほしい。僕が知っているブラジル人監督は「日本の記者はサッカーを知らないから」と言う。それだけ突っ込んだ質問が来ないからだと思うんだよね。

 独自の視点といえば、イルハンが練習試合で後半早々に負傷退場したときのこと。僕も後半途中で交代していて、2人ともシャワーを浴びているときに神戸に2点目が入った。普通なら「だれが決めた?」と聞くのを、イルハンは真っ先に「だれがアシストした?」と聞いたんだ。はっとした。見ているポイントが違うなと。そういうのって面白いよね。(隔週金曜日に掲載、次は30日)

(神戸新聞、2004年4月16日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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