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「サッカー小僧」第19回


井原正巳−代表支えた偉大なDF、最大限の敬意を−

 来年1月4日に井原正巳氏(元浦和)の引退試合が国立競技場である。ぜひ参加して真剣なプレーを見せたいね。

 ライバル関係にあったマリノスとヴェルディの選手として長く戦ったけど、日本代表では一番分かり合える仲だった。僕らは代表にいる時間が長かったし、黙ってても通じ合うものがあった。

 協調性、リーダーシップ、サッカーに対する真しな気持ちを常に持っている。学生時代に日本代表に選ばれた彼に、僕はブラジル遠征のとき初めて会った。すごく好青年で、36歳の今もそのイメージが消えない。裏腹にプレーは汚かったね。と言っても、プロフェッショナルファウルでクレバーな守備だった。

 印象的だったのは1997年のワールドカップ(W杯)予選。僕らを信頼してくれていた加茂監督が更迭され、2人で「これはおれたちの責任でもあるから、力を合わせて頑張ろう」とウズベキスタンのホテルで話したことをよく覚えている。

 翌年のフランスW杯などさまざまな大会で代表をまとめ、その結果が日本でだれも成しえなかった国際Aマッチ123試合出場につながった。アジアのMVPを獲得しているし、Jリーグでもチャンピオンになっている。世界で十分通用しただろう偉大なDFだった。

 日本のルールでは、最後に在籍したクラブが引退試合を主催する権利があるけど、あれだけの選手には、日本サッカー協会が率先して日本代表対Jリーグ選抜なんかをやってほしかった。よく「一個人の選手に協会がどうこうするのは…」って聞くけど、特別な選手はいるわけで、100試合以上Aマッチをやった選手には敬意を払うべきだと思う。

 井原氏には早く現場を担ってほしい。選手、監督を経験した人がいずれフロント入りしていけば、本当の意味で日本サッカーの改革につながっていくだろうね。(隔週金曜日に掲載、次は28日)

(神戸新聞、2003年11月14日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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