LOCKER ROOM


「サッカー小僧」第6回


初ゴール−最初から出てチームを引っ張る−

 11日の浦和戦で今季初ゴールを決めた。一番大事なのはアシストした岡野と僕の考えが一緒だったこと。岡野は速くて強い球をニアにければ僕が飛び込む、僕はそういう球がくると信じていた。

 先発に復帰して2試合目。36歳になって、ここ2戦で新たな自分の役割をつかめたのは収穫だった。最初から出て、いけるところまでチームを引っ張るスタイルをね。実感として、僕はやはり先発型じゃないかな。

 後半16分に交代し、ベンチに座っているとなかなか時間が過ぎないからゴール裏に行ったんだ。あそこで出番を待ちわびながらアップしているときはあっという間に時間が過ぎる。なのに、この日はすごく遅く感じた(笑)。

 勝ち負けや自分のプレーにこだわり、サポーターの声援を受けると、練習とは違う公式戦のゾクゾク感がわき上がってくる。それがある限り、戦っていける。よく「これだけの実績を残してきたんだから十分でしょ」と言われるけど、そんなことを考えるようになったら現役は終わり。最後に限界を感じるのは体力ではなく、要は「気力」なんだと思う。

 控えが続いていたが、柏戦(5日)から一気に変わった。あの日監督の部屋に呼ばれたとき、「ベンチからも外されるのか」って思った。それが逆に先発起用だからね。前半45分だけでもいいからめいいっぱいやろうとしたのがよかった。

 15日でJリーグも丸10年。10年前にプレーしていて、今も先発の選手はほとんどいない。FWで生き残るのは特に大変だ。精神力を評価されるのも、技術の裏付けがあってこそ。ローマは一日にしてならずじゃないけど、積み重ねが大事だね。

 とにかく浮かれている場合じゃない。早く2点目を取らないと。もっと余裕を持っていいプレーができるだろうし、気持ちを切り替えてリーグ中断までの2試合に集中したい。(隔週金曜日に掲載、次は30日)

(神戸新聞、2003年5月16日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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