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「サッカー小僧」第5回


−日韓−実力伯仲 本当の意味でライバルに

 4月16日、ソウルで行われた日韓戦は90分間楽しませてもらった。決勝点を決めた永井選手(浦和)の「周りが赤だったんで、レッズだと思ってやった」っていうコメントはよかった。ああいうメンタルはいい。自分もまたあの韓国の大応援団の中でプレーしたいね。

 韓国のフィジカル的な強さに対し、日本は技術で勝負するっていうのがはっきりしていて面白い。ヨーロッパ的な要素も取り入れつつ激しいアルゼンチンと、マイペースなブラジルの関係に似ている。レベルの違いはどうあれ、ものすごいライバル意識があって勝ち負けにこだわる点もね。

 日韓サッカーの歴史は長いけど、韓国がアジアをリードしてきたことは確かだし、それは成績(日本の12勝15分け35敗)を見ても一目瞭然(りょうぜん)。でも、10年前のワールドカップ(W杯)アジア最終予選で日本が韓国に勝ったことをきっかけに差が縮まり、さらにこの5年でほとんど差がなくなった。

 昔の韓国は日本を上から見ていたと思うけど今は本当の意味でライバル心を持っている。その証拠に向こうのメディアも選手も「うちは日本より強い」って主張するでしょう。政治的な歴史とサッカーを混同していたのが、この10年で互いを尊重し合える仲になった。

 昨年のW杯でブラジル−ベルギー戦を見た後、元韓国代表のエースで金鋳城(キム・ジュソン)に神戸で偶然出会った。僕が日本代表のころはお互い目も合わせなかったけど、あのときは肩を抱き合って再会を喜んだ。向こうは僕が日本のサッカーを引っ張ってきたことを知っていたし、その意味で尊重してくれた。

 Jリーグに多くの韓国選手が来ているように、日本からも在日のカンジョ(神戸の朴康造)や前園選手が韓国へ渡って、お互いの距離が縮まっていることも感じている。2つの国が平和のためにスポーツをする。素晴らしいと思う。(隔週金曜日に掲載、次は16日)

(神戸新聞、2003年5月2日掲載)


※このテキストを三浦知良および神戸新聞社に無断で転載することを禁止いたします。

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