あけましておめでとうございます。今年は「いつも通り」を基本に、楽しく、そして厳しくサッカーに取り組んでいきたい。勝つことも負けることもあるだろうけれど、応援してくれるみんなと一緒に、感動と充実感を得たいと思う。
年末の短いオフには、家族や友人たちとイタリアを旅行した。神戸の自宅で過ごしたほうが体は休まる。でも旅行をすると気持ちが新たになる。良い思い出もできる。
ジェノバ、ナポリ、ミラノに2日ずつ滞在した。セリエAのジェノアでプレーしたとき住んでいたジェノバでは、僕のことを覚えてくれている人がいた。空港で荷物をピックアップしたとき、「(サンプドリアとの)ジェノバダービーでのゴール、ありがとう」という手紙がかばんにはり付けられていた。サッカーが人生に溶け込んだ国なんだなと、改めて感じた。
試合以外で初めて訪れたナポリでは、趣味を満喫した。仕立屋の職人さんとの洋服談議は特に印象的だった。
「生地、糸、色、形。すべてが大切だが、一番重要なのは自分が最高だと思えることだ」。そんなふうに言っていた。型にこだわるのではなく、気持ちで着るんだね。
とても気に入ったのに少しだけサイズが大き過ぎる手作りのくつがあった。そのとき、店の主人は「このくつにはすごく手間がかかっている。世界一だ。しかし、これは君のものじゃないようだ。買うな」と助言してくれた。商売だけでなく、くつが好きだから作っているのが伝わってきた。
僕のサッカー哲学に通じるところもあった。いいオフが過ごせた。
(朝日新聞、2002年1月8日掲載)
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