天皇杯は、神戸にとって重要なタイトルだと思って取り組んできた。いろいろな問題を抱えている大会だとは僕も理解している。Jリーグが終わった直後で、監督の交代が決まっていたり、戦力外通告を受けた選手もいたりする。クリスマスをはさむため、外国人選手のやる気が落ちることも一部では事実。日程を改善する必要はあるだろう。でもだからといって天皇杯を軽視するなんて僕には理解できない。
元日の決勝まで進めば、チームの仲間と一体感を持って年を越すことになる。そして新年を大好きなサッカーで迎える。スポーツ全体を見渡しても、その年最初の大イベント。ものすごい緊張感とともに喜びがある。僕はヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)で3度決勝に進んで、3度目でやっと優勝できた。かけがえのない経験と名誉を得られた。
まだ歴史の浅い神戸に、このタイトルをもたらしたいという思いがあった。だから4回戦で負けてとても残念だ。僕の今季はこれで閉幕。振り返ってみれば、自分もチームも、成長できた一年だったと思う。
主将として2月のキャンプから意識改革を訴えてきた。Jリーグ終盤、2部降格の危機を感じたころ、チームが一体になり、ようやく変わってきた手ごたえが残った。
僕は腰や足の状態が良くなった7月以降、ベストパフォーマンスを出せた。ドリブルやスペースに走る動きなど、本来の持ち味であるチャンスメークができるようになった。シュート66本で11得点も悪い確率じゃない。
20代と同じプレーはできないが、いくつになっても成長できると僕は信じている。また来年が楽しみだね。
(朝日新聞、2001年12月18日掲載)
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