FIELD
Interview
 やったね。嬉しいよ、めちゃくちゃ。(リードされても)必ず追いつけると思ってたんだ。延長に入るときには、絶対に勝てるって思ってたもの。
 ベンチではいらいらしたね(笑)。でも、点を取るってことは本当に大変なことだからね。イランも決定的なのを外してくれてたでしょ。そういうのを見てもね、大変なことですよ、点を取るというのは。
 延長では、いつ決まるかと思ってみんなで飛び出す準備をしてたんだけど、なかなか決まらなかったね(笑)。相手GKが怪我してたんで、いつか入るとは思ってたけど。最後まであきらめずにチャンスを作ったのがよかったんだろうね。
 決まった瞬間はよくわからなかったんだけど、岡野がものすごい顔してこっちにダッシュしてくるから、それで(笑)。
 自分の交代は仕方ないんじゃないの。不満なんかないよ(笑)。今までだってみんなで戦ってきたわけだし。そりゃあ、一プレーヤーとしてね、最後の瞬間までピッチに立っていたいっていうのはもちろんあるけど。1-2で逆転された場面だったし、そういうことは、よくあることだからね。納得してますよ。

 (批判の矢面に立たされたことについては)あまり気にならなかったよ。そんなことはブラジルやイタリアではよくあることだし、今までも経験してきたことだからね。
 これから、もちろん僕だって代表に選ばれる保証はないし、そういう話(カズ引退だの新旧交代だの)が出てるってことも知ってるよ。そんなことは十分承知してますよ。でもね、自信はありますよ。今までのスタンスとスタイルを変えるつもりもないですしね。
 このホームページに温かい激励のメッセージを送り続けてくれたみなさん、今まで応援本当にありがとう! いつも心強く思ってました。フランスに向けて、一からやり直すつもりで頑張りますので、これからもよろしく!!

Report
日本ついに悲願達成! 祝W杯初出場決定!!

 ここに新たなる歴史が刻まれた。日本がとうとう最後の大きな壁を打ち破り、W杯初出場決定。残念ながらカズは途中交代したが、交代出場した城、岡野らの活躍もあり、日本は劇的な逆転ゴールデンゴール(Vゴール)勝ち。チーム一丸となった勝利で、カズの、そして日本サッカーファンの長年の夢だった日本のW杯出場が、今、現実のものとなった。
Photo1Photo2Photo3
 派手な活躍はなかった。この試合のカズは私たちが期待するような派手なゴールを決めることもなかった。しかし、日本のエースとしての意地と勝利への執念だけは決して忘れることはなかった。そして、その執念が最後に実った形となった。
 試合開始からカズは力を惜しむことなく走りまわり、前線からプレスをかけ続けていく。38分にはその積極果敢なチェイシングで、バックパスのボールをキープしていたGKを追い詰めた。これは結局ファールをとられたが、こうしたフォアチェックが相手にプレッシャーをかけ、日本のリズムを作っていったことは確かだろう。
 またゴールこそなかったものの、チャンスメークに徹し、左右に流れてスペースを作りだすなど、まわりを生かす動きを見せた。カズ自身、ゴールがなかったことはさして気にしていない。もちろん常にゴールは狙っていたが、結果的に誰が点をとってもよかったのだ。自身のゴールよりも、チームの勝利にいかに貢献するかのほうがカズにとってはずっと大事だったからである。黒子役。カズはその役割に徹したと言えるだろう。それは実力のあるものでないとできないことである。実力があるからこそ敵はカズを警戒する。そのため、カズ自身は厳しい戦いを余儀なくされるが、その分まわりへのチェックが甘くなれば、まわりを生かすことができるのである。
 私たちはどうしてもカズに派手な活躍を求めてしまう。派手な活躍のできないカズはカズではないと思ってしまう。しかしカズにとって一番大切だったのは、チームの勝利だったのである。そのためだけに献身的に戦ってきた。それは派手なイメージの付きまとうカズには似合わない役割だったかもしれない。割に合わない仕事だったかも知れない。それでもカズはチームのためにその役割を全うしたのである。
 この試合、日本はチームが有機的な集合体となった。カズだけでなく、それぞれが自分の役割を果たし、チームが組織的に機能したと言えるだろう。
 延長戦の開始前、日本は控えを含めた選手だけでなく、これまでチームに関わってきたスタッフ全員で円陣を組んだ。文字通り、日本はまさにチーム一丸となったのである。
Photo4Photo5Photo6
 後半途中の63分、カズは残念ながら途中交代した。交代の際、何度も自分の胸を指差し、「俺?」とベンチに確認していたカズ。実は、中山と二人同時に交代だったため、自分かどうかよくわからなかったとのこと。監督は中山を呼んでいたのに、審判の示した交代選手の番号が自分のものだったので、交代手続き上の間違い(交代を示す番号掲示が間違っていることがよくある)かと思ったそうである。(ちなみに北澤はイランのアジジが交代かと思ったそうだ。)カズはこれまでチーム一丸ということを強調し続けてきた。勝利決定の最後の瞬間まで、できることならグラウンドに立っていたいという思いはプレーヤーとして当然あったが、交代に関して不満があったわけでは決してないのである。交代後もベンチで必死に応援するカズの姿がそれをよく表わしていたのではないだろうか。
 岡田監督は2トップに対して、ものすごく多い要求をしていたという。ディフェンスすること、スペースを作ること、ゴール前に飛び込むこと。そのため、あの暑さの中、しかもあの競った状態で、90分間は絶対もたないと最初から考えていたそうだ。カズもそれは承知の上だったのである。
 岡田監督のカズ評価は高い。特にカズの前線からのディフェンス能力を高く評価している。(カズについて岡田監督は、「チームにとって必要な選手。あれだけ守備をするフォワードはいない」と話していた。)また、敵ディフェンスを引き連れて、スペースを作り出すことができる。もちろん、ゴールゲッターとしての能力と勝負強さも兼ね備えている。カズの起用は決して巷で言われているような温情采配ではないことは、監督自身が明言していることなのだ。
Photo7Photo8Photo9
 これで日本はフランス行きのチケットを手に入れたわけであるが、W杯本大会は今まで以上にハードな戦いになることは間違いない。もう一ランクレベルを上げないと苦しいだろう。今、カズの夢は一つ叶えられたが、今度はW杯本戦での勝利に挑むことになる。一つの挑戦が終わり、また次の挑戦が始まる。カズはこれまでもそうしてきたように、新たな夢に向かって、また新しい挑戦を始めるだろう。
 またそれ以前に、日本代表に選ばれるための戦いもまた始まる。天皇杯、Jリーグと戦いは続く。そこでよい結果を残さない限り、代表には入れないことはカズ自身が十分わかっていることである。次に向かって戦いは既に始まっているのだ。
 しかし、とりあえず今はゆっくり休んでほしい。その疲れ切った身体を癒してほしい。そして完全にリフレッシュして、また万全のコンディションであのキュンキュンのプレーを見せてほしいものである。お疲れさま、カズ!フランスの夢の舞台に立つカズのその姿を、私たちは楽しみに待つことにしよう。
 カズの夢が一つ叶った。「おめでとう、カズ!」そしてまた、次の夢を叶えるために、「BOA SORTE, KAZU!」
Photo10Photo11Photo12

Scoresheet
W杯アジア地区最終予選第三代表決定戦
日本 vs イラン
日時1997年11月16日 21時03分(日本時間22時03分)キックオフ
会場ジョホールバル・ラキンスタジアム(マレーシア)
観衆22,000
天候曇り
気温30度
湿度80%
主審ディアス・ヴェガ・マニュエル(スペイン)
結果
日本 3 1-0
1-2
 
0-0
1-0
2 イラン
得点
39分:中山
46分:アジジ
59分:ダエイ
76分:城
118分:岡野
先発
(日本)
GK 川口
DF 名良橋 相馬 井原 秋田
MF 山口 中田 名波 北澤
FW カズ 中山
交代63分:城(カズ
63分:呂比須(中山)
91分:岡野(北澤)

Back number
[バックナンバーをみる]


Back
[INDEXに戻る]


TOP | MUSEUM | FIELD | LOCKER ROOM | CHAT LOBBY | SHOP


Comments and Questions to info@kazu-miura.com.