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日本、ソウルで雪辱 W杯への夢つなぐ
東京での借りは返した。日本は追い込まれた土壇場の大一番で完封勝利。この日カズ自身はゴールこそなかったものの、精力的な動きで日本の勝利に貢献。ファイト溢れる闘志むき出しのプレーを見せてくれた。注目のカズ対チェ・ヨンイルの対決も、第二幕はカズに軍配。カズもイエローをもらったことで次のカザフスタン戦は出場できなくなってしまったが、UAEがウズベキスタンと引き分けたため、日本の予選自力突破の可能性が復活。日本悲願のW杯出場のため、カズの戦いはまだ終わったわけではない。 |
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 | | 「週刊サッカーマガジン」1997年11月19日号より |
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前回の国立での試合同様、今回もカズには崔英一(チェ・ヨンイル)が徹底マークについた。またもやカズとチェとの間では、激しい凌ぎあいが繰り広げられた。 開始2分、見ているほうとしては予想外にあっけなく、韓国のゴールは割れた。中盤での小気味良いボール回しから、名波が左サイドに上がってきた相馬へ。相馬がこれをダイレクトでセンタリング、ニアサイドに詰めていた呂比須が後ろへ流す。これはゴール前に走り込んでいたカズにはあわなかったが、このカズの動きがマークしていたチェを引っ張り、その後ろのゴール正面にぽっかりと空いたスペースを作り出した。ここに入り込んだ名波が得意の左足で合わせて先制ゴール。日本としては攻撃陣がそれぞれしっかり自分の役目を果たし、組織的に崩して奪った見事なゴールと言ってよいだろう。 これをはじめとして、目立たない役割であったが、カズは自分が囮となることで韓国の守備陣を混乱させた。カズはこの試合の前、「チェ・ヨンイル潰し」にかかることを宣言していた。前回の対決ではチェの反則まがいの徹底マークに苦しんだが、今回は自分はつぶれても他の選手のところにマークがいかなければよいと割り切っていたのだ。結果的にカズの「チェ・ヨンイル潰し」が功を奏し、呂比須・北沢ら他の選手を生かすスペースを作ることになった。 53分、日本のクリアボールを中盤でもらいに行ったカズの後ろからチェが危険なタックルを浴びせると、カズが鬼の形相でチェに喰ってかかる。激しい言い争いに主審は両者にイエローカードを出した。 これによりカズは累積警告のため次の試合は出場停止となってしまったが、後先のことを考えずに目の前の試合に全力を注いだ結果だから止むを得まい。これに対し、冷静さを欠いたと言う批判もあるが、国際試合では目に見えないところで相手が非常に汚いことをやってくることが多いということを考えなければならない。日本が生んだあの偉大なストライカー・釜本邦茂も言っていたことであるが、試合(特に国際試合)では相手になめられたら終わりであって、「やられたら、やり返す」というぐらいでなければだめなのだ。それでないと相手は調子に乗ってやり続けてくるのである。結果的にまわりを生かし、チェを退場に追い込むきっかけを作ったわけであるから、今回の勝負はカズに軍配が上がったといってよいだろう。 |
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 | | 「週刊サッカーダイジェスト」1997年11月19日号より |
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ここ何試合かというもの、点が取れていないということで、カズのプレーへの批判を耳にすることが多くなってきた。しかしそれはカズだけの問題ではない。いくらカズとはいえ、一人ではサッカーはできない。カズを生かすためにまわりが動き、まわりを生かすためにカズは動いているのである。今回の試合ではカズの動きがまわりを生かしたと言えるだろう。そうすればまた今度はまわりの動きがカズを生かすことができる。そうした相乗効果が絶対に必要なのだ。 また点がとれてないということだけで評価するのはいかがなものか。確かにFW(ストライカー)の第一の仕事は点をとることである。しかし敵だって死に物狂いで相手のエースを止めに来るのだから、そう簡単に点がとれないことも多いだろう。エースであるカズに厳しいマークがつくのは当然である。そんなとき、他の選手のためにスペースを開けたり、ポストになったり、スルーパスを出したりとチャンスメークすること、また前線からプレスをかけるために走り回ったりすることも大事なことであろう。カズのそうした動きが評価されないのはどういうことなのだろうか。確かに目立った活躍はしていないかもしれない。しかし確実に黙々と仕事はこなしている。そこもちゃんと見た上で評価を下してほしいものである。
この試合の勝利をもってしても、日本のW杯出場への夢は依然としてUAEの残り試合の結果次第ということに変わりはなかった。ところが翌日UAEがウズベキスタンと引き分けたため、日本の自力出場の可能性が復活した。勝負の神はまだ日本を見捨てたわけではなかったようである。 次のカザフスタン戦、残念ながらカズは出場できない。しかしプラスに考えれば、カズにはいい休養になるかもしれない。カズも自分なりのやり方で日本代表をサポートすることを公言している。皆と一緒に全力で戦うという気持ちに変化はない。それに、日本悲願のW杯出場への戦いは次のカザフスタン戦だけで終わりではないのだ。もちろん次の試合の結果次第であり、日本にはもう勝ち進むしか道は残されていないことに変わりはないのだが、Aグループ2位との3位決定戦も控えている。この先必ずやカズの力が必要となるときが来るはずだ。カズはきっと再びその雄姿を私たちの目の前にあらわしてくれるに違いない。 頑張れ、日本!突き進め、カズ!「BOA SORTE, KAZU!」 |
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 | 「週刊サッカーマガジン」1997年11月19日号より
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