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日本敵地でドロー 不満と安堵の90分
カズ無得点も、納得の90分。日本は灼熱の砂漠の地で死闘の末ドロー。あわよくば勝てそうな場面もあっただけに、物足りなさが残らないわけではないが、とりあえずほっとしたという人が多かったのではないだろうか。 |
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この試合、日本の調子は決して良かったとは言えない。前回のウズベキスタン戦と比べると、カズも特別目立った活躍をすることはできなかった。しかしそれも仕方がないと言えば仕方がないだろう。この日のコンディションや日本のとるべき戦術を考えると納得がいく。 何といっても、この日のコンディションは気温39度、湿度52%。スタジアムの構造から言っても、グラウンドレベルではおそらくそれ以上になっていたと考えられる。また日が落ちるにつれて温度も湿度も上がるらしく、特に後半は気温が43度にも達し、風も止まってしまったとのこと。蒸し風呂状態というのは決して安易な比喩ではなく、まさに人間の限界との勝負と言ってよい。体温以上の気温のなかでの真剣勝負は想像以上に体力を消耗させたことだろう。前回の'94アメリカW杯でも問題になったことであり、この試合を視察に訪れた韓国のチャ・ブンクン監督も言っていたことであるが、これはサッカーをやる状況ではない。事実ホームで有利なはずのUAEの選手たちでさえ、後半は足が止まり、動きの量が激減していた。 また暑さ対策とアウェー用の戦術ということで、日本が多少守備的な布陣を敷いたことも影響した。まずはしっかり守ることが念頭にあったのだろう。前半は城をワントップ気味におき、カズは主に左サイドの2列目としてプレー。敵のディフェンスが厳しかったこともあり、なかなか前線の危険地帯に切れ込めず、2列目からのDFラインの背後のスペースへの飛び出しも思うようにいかなかった。しかしこれは体力的なことを考えて後半の勝負どころまで無理をしない作戦だったようである。(予想以上に体力の消耗が激しく、終盤には動けなくなってしまったのが計算外であったが。)後半20分を過ぎると、城が下がってカズのワントップとなったこともあり、カズがDFラインの裏へと走り込む回数が増えていった。 |
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前半惜しかったのは15分のチャンス。左サイドペナルティエリア角付近で名波からのパスを受けたカズはDFを背負ってトラップ。DFをはずして中田とのワンツーで裏へ抜け出し、ダイレクトで右足でシュートしたが、GKの正面をついた。 後半も20分を過ぎると、カズが積極的にDFの裏をつきだし、勝負をかけ始める。67分、名波が奪ったボールを左サイド中盤で受けたカズは、一人でドリブルでゴールへと突進する。一人をかわして二人目のタックルにバランスを崩しながらも倒れない。相変わらず粘り強く見事なボディバランス。最後は左足のシュートまでもっていったことは驚嘆に値する。しかしここも結局DFが三人カバーに来ており、ゴールの鍵をこじ開けるまでにはいかなかった。 カズにとっておそらく最大のチャンスだったのは71分。中田からのスルーパスを受けてGKをかわしたが、その際のボールコントロールが少し大きくて追い付けず、ボールはゴールラインを割ってしまった。スピードに乗って突入した上、横にはDFもしっかりついており、難しいプレーだったことは確かである。しかし他でもないカズだっただけに、決めてほしかったところであるが・・・。 このあと82分にも、左サイド森島のセンタリングから中西がダイレクトで落としたボールを、フリーになったカズがトラップと同時に反転して前を向きシュートを狙った。しかしトラップが懐に入りすぎたのか、一瞬持ち直してしまったためつめてきたDFにブロックされてしまい、まともにシュートを打つことはできなかった。 またロスタイムにも、粘った山口のセンタリングからカズがヘッドでたたきつけてゴールを狙ったが、敵もしっかり競り合って決してフリーではやらせてもらえず、ボールはゴールマウスをはずれていった。 |
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チームとしては38分の中田のダイビングヘッドが相手GKのスーパーセーブに防がれたり、75分のFKから井原のヘッドも小村のプッシュがオフサイドで幻のゴールとなったりなど、ツキにも見放された感があった。 |
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結局この試合のカズは無得点に終わった。やはり前評判通り敵のDFが堅かったこともあり、前回のウズベキスタン戦のようにはいかなかった。カズにも終盤には明らかに疲れが見て取れた。もちろん疲れていたのはカズだけではなかったが。 FWとしての結果(えてしてそれが得点であることは言うまでもない)がでなかった限り、この試合のカズの評価がそれほど高くはならないのは仕方がない。数は少ないながらも、カズにも決定機はあった。難しいプレーも多かったが、他でもないカズだっただけに、決めてほしかったという思いもある。 厳しい見方かもしれないが、その対象がカズだからこそ我々の期待も大きくなり、またその分不満も出てきてしまう。「カズならばやってくれるのではないか」「あのカズなのにどうして決められないのか」という目でついつい厳しく見てしまうのである。「可愛さ余って憎さ百倍」ではないが、かかる期待がとてつもなく大きい分だけ、結果がでなかったときには叩かれやすい立場にカズがいることは間違いないだろう。 しかしカズも言っていたように、サッカーでは1点獲るのはたいへんなことなのである。だからこそゴールの瞬間、狩人はあれだけ喜びを爆発させるのだ。決められなかったのは事実であるが、それでも数少ない決定機に顔を出し、精力的に動き続けたのもカズだ。悪条件が重なったことを考えても、カズのプレーは少なくとも及第点には達していたと言ってよいのではないだろうか。 |
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結果は不満と安堵の入り交じる引き分けに終わった。しかし後ろは振り返っても仕方がない。切り替えの早さがカズの身上の一つである。カズの目はすでに次の韓国戦に向けられている。次へ、次へ。前へ、前へと。 欲を言えば勝っておきたかったが、ないものねだりはやめにしよう。勝ち点3がとれなかったことよりも、勝ち点1を確保したことをプラス思考でとらえるべきであろう。次はいよいよ序盤の天王山、ホームでの対韓国戦である。頼むぞ、カズ!「BOA SORTE, KAZU!」 |
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