FIELD
Interview
 ゲーム後、道に迷ったビスマルクのクルマを道に出てケイタイで誘導したあと、店に入って一緒に焼き魚(さんま)定食を食べたカズ。そこで今回の試合についていくつかのコメントをもらいました。

(キックオフ直前の祈りは城と決めていたのか)
 決めていたというより、俺が決めていた。城は知らなかった。とにかく僕らは結果を出さなきゃいけないから。また、いろいろ言われているし、そんなことは気にしていなかったけど、城と気持ちだけ合わせてやろうっていうこと。

(試合までの一週間)
 かなりの量のビデオを見たよ。オランダリーグの得点のゴールシーンでしょ、94、95のセリエA見たでしょ。自分のジェノア対サンプドリアを見たでしょ。自分はああいう環境のところでやってたんだな、って自分自身で気持ちを盛り上げて、何のためにそういうところを通ってきたかというのをもう一度確認して、4年間振り返るじゃないけど、もう一度自分の気持ちの中で整理して、ぐっとくるものをつかみたかった。

(不安)
 不安とかは選手というのは絶対にあるの、選手には。特にフォワードとかは、数字的なことをすごく言われるから。ペレなんかの話を聞いても、いつも試合に入る前は・・・、どんな試合でも不安に思うことはあるって。点を入れられるかと。結果が出る出ないは抜きにして、自分自身がちゃんと仕事できるかって。
 どきどきしながらやってますよ、僕も。体疲れますもの。神経使っているから。特に今日は。
 でもね、1点入れるということは大変なんだよ。それだけは自分で忘れたくないな。

(5対3になって)
 追いつかれると思ったでしょ。5-1、5-2、5-3。5-1になったときはいいかなと思ったよな。6点入ったときに安心した?俺も安心した。俺言ったもの、西沢に、「5-3だから、おい、走んねえと、こりゃ追いつかれるぞ」って。

(ボールへのキス)
 ああ、したした。祈ったのかな。祈りもあるよ、もう、いろんな(笑)。

 今回はホームでしかも快勝ということもあって、カズの貴重な話を聞くことができました。これからはアウェーの試合もありますし、なかなかコメントをもらうのが難しいこともあるかもしれません。それでもここでしか聞けないカズのコメントをできる限り載せていきたいと思っています。皆さん、どうぞお楽しみに!

Report
カズ、ファイヤー!!!4発炸裂 W杯へ好発進

 決めてくれたのはやはりこの男だった。キング・カズ。格が違う。経験が違う。そしてなによりも気合いが違う。怪我、不振、限界説などの鬱憤を自らの4ゴールで見事に晴らしてくれた。
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 会場となった国立競技場は試合前から異様な雰囲気に包まれていた。5万4千の大観衆はすでにヒート・アップ。ウェーブが起こり、巨大な日の丸が揺れ、ニッポン・コールはなりやまない。選手入場の際には無数の紙吹雪が夜空に舞った。
 試合開始のキックオフ直前、カズはツートップを組む城とともにひざまづき、ボールに手を添えて祈りを込めた。超満員のスタンドのボルテージも最高潮に達する。
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 立ち上がりから溌剌と、積極的に動くカズ。気合いの入り方が凄いことが観ているものにもすぐに伝わってくる。まるで自分の気持ちの昂りを抑え切れないようだ。チーム最年長とはとても思えないこの若々しさ、この躍動感はどうだ。ボールをもって前を向き、相手に勝負をかける。ドリブル突破、裏をとる動き、どれもキレまくっている。
 ゲームの流れの上で一番点が欲しいときにきっちりと答えを出してみせたのは、やはり日本のエース、カズ。どうしても欲しかった先制点は開始4分のPK。カズの、そして日本のサポーター全ての思いが込められたボールがゴールネットを揺すると、地鳴りのような歓声とともにスタジアムが揺れた。23分の追加点。ウズベキスタンに1点返され、流れが相手に行きかけた64分の中押し点。どちらも試合展開上、効果的なものだった。そして5-3と追撃され、嫌なムードが立ちこめてきた80分、またしてもその流れを寸断し、追いすがるウズベキスタンの息の根を止めたのもカズのゴールだった。
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 カズのここ一番での勝負強さは図抜けている。若い城、西沢が絶好のチャンスをはずし続けたのとは対照的に、カズはチャンスで非常に落ち着いていた。経験の差、と言ってしまえばそれまでだが、ここにきて集中力、ゴールへの嗅覚が再び研ぎ澄まされてきたようだ。これが日本代表を引っ張ってきた男の底力なのだろうか。
 もちろんカズだってチャンスを全てものにしたわけではない。30分過ぎのチャンスなどはトラップがもう少し正確であれば点になっていたかもしれない。それでもチーム最多の8本のシュートを放ち、その半分を得点につなげたことは素直に評価されてしかるべきであろう。しかもそのことごとくがチームにとって勝負どころの大事なゴールであったのだからなおさらである。
 また自らが点をとるだけではなく、44分には絶妙のスルーパスで、若武者・城の得点をお膳立て。自ら決めながら若手をも引っ張る老獪さも見せ、中田、名波とともに攻撃陣を完全にリードしていた。
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 この活躍で「カズ健在」は敵各国に十分にアピールされたはずだ。確かにウズベキスタンがカズをフリーにしすぎたという点は忘れてはならないだろう。今回のような活躍がいつもできるとは考えられない。今後の戦いのなかではカズに厳しいマークがつくことは容易に予想される。現に偵察に訪れた韓国の車範根(チャ・ブンクン)監督はカズに徹底マークをつけて対応することを明言している。そうなるとさすがのカズもそう簡単には仕事をさせてもらえないだろう。
 しかしカズはこれまでもそうした修羅場をいくつもくぐり抜けてきたのだ。舞台が大きくなればなるほどその真価を発揮してきたカズのことだ。きっとまた我々サポーターの期待に答えるようなどでかいことをやってくれるに違いない。我々はそれを信じて声援を送り続けるだけだ。
 ヒーロー・インタビュー、MVPの表彰を終えたあと、カズは一人で走って超満員のサポーターに挨拶に来てくれた。人一倍サポーターのことを大切にしてくれるカズ。場内に割れんばかりのカズ・コールが沸き起こったことは言うまでもない。「ありがとう、カズ!」そして次に向かって、「BOA SORTE, KAZU!」
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Scoresheet
W杯アジア地区最終予選グループB
日本 vs ウズベキスタン
日時1997年9月7日 19時06分キックオフ
会場国立競技場
観衆54,328
天候晴れ
気温28.3度
湿度69%
主審アルゼイド・A・ラフマン(サウジアラビア)
結果
日本 6 4-0
2-3
3 ウズベキスタン
得点
4分:カズ(PK)
23分:カズ
40分:中田
44分:城
56分:シャツィフ
64分:カズ
69分:フョードルフ(PK)
77分:シャツィフ
80分:カズ
先発
(日本)
GK 川口
DF 井原 小村 秋田 相馬 名良橋
MF 山口 名波 中田
FW カズ 城
交代58分:西沢(城)
68分:中西(名良橋)
80分:本田(西沢)

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