BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2009年08月21日(金)掲載

“サッカー人として”
2009年08月21日(金)掲載

うまい・賢い・力まない

 長すぎた。試合の途中で雷雨のために中止になった9日(2009年8月9日)の栃木SC戦でのこと。一時中断してから中止が決まるまで1時間弱も待った。危ないからと選手は屋内に避難できたけれど、サポーターは放送もよく聞こえず、スタンドに残ったまま。何事もなかったから結果的によかったけれど……。


 あれではお客さんがかわいそう。どうやら観客が多かっただけに運営側も迷い、Jリーグにも相談して時間がかかったようだ。その場にいない人たちに現場の天候について決断を求めるのは、どうなんだろう。現場で権限を与えられた人々で、もっと速やかに判断を下してほしかった。


 雨はしばしばサッカー選手を困らせる。でも、元ブラジル代表FWのエジムンドはそうじゃなかった。雨で軟らかくなったピッチでも晴天用のスパイクで走る、止まる。それで滑らないのが信じがたいところ。無駄に力まないんだね。


 ブラジル人もいろいろで、国立競技場に来て「ピッチが硬い」と、ジョギングシューズに履き替えて、そのチームで一番うまいプレーを見せた選手もいた。


 面白いもので、ジーコもペレもサッカーをする限りはいくら走っても足がつらない。余分な力は皆無で、余裕があり、相手に迫られてもそれに応じていろいろな体の使い方ができる。力を入れるか入れないかの、高度なバランス。そういえば陸上100メートルの王者ボルト選手も、あんなに速いのに力みは感じられないのは気のせいだろうか。


 それに、うまい選手は概して賢い。僕が21歳でブラジル・コリチーバにいたころ、ユース時代に代表経験のある同僚にこう言われた。「オレが考えるからお前は走れ」。それでうまくいってしまう。かけ算や勉強は苦手そうでも、サッカーにおいては抜群に頭が良かった。サッカー脳とでもいうようなもので、それらも含めて世界基準の「うまい」があるんだろうね。


 「フッチボール・アルチ」、サッカーは芸術だということに価値を置いてきたブラジルサッカーのDNAを、そんな選手たちからは感じてしまう。その奥義をマネするのはなかなか難しいでしょう。あるビーチサッカーの日本代表選手も嘆いていた。「砂の上でもブラジルは恐ろしくうまいよ。追いつけない」。