BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2008年06月20日(金)掲載

“サッカー人として”
2008年06月20日(金)掲載

選手の領域、監督の領域

 横浜FCはJ2開幕から5月中旬までは上位につけていたけれど、最近6試合で1分け5敗と崩れてしまった。悪い流れが続いている。と言っても落とした試合をやり直すことはできないから、僕らにできるのは残った試合をいかにたくさん勝つか。都並敏史監督の下でやってきたことを、継続してしっかりやるしかない。


 6勝6分け7敗で8位という成績が現状の力だと真摯(しんし)に受け止めて、どう戦うか。過去の昇格チームの成績がどうだったとか、ここから何連勝しないといけないとかは考えず、目の前の試合を必死に戦うだけだ。やはり一つ勝つのは大変なことで、連敗するのはあっという間なんだ。


 クラブにとって乗り越えねばならない壁なのかもしれない。J2の下位で低迷していた横浜FCが2年前にいきなり優勝して、J1で苦戦して落ちて、また上がろうとする中でつまずいた。ここでチームが成長できるか、本当にプロフェッショナルなクラブになれるか、それが大事なんだろう。


 勝てない理由は一つじゃない。メンタルや技術、戦術、運。お金をかけて補強すれば昇格できるわけでもない。プロ野球の巨人も、あれだけの資金力と戦力があっても勝率5割を行ったり来たりなんだから。団体スポーツ、特にサッカーではチームのバランスや歯車がかみ合うことが大切だ。


 勝つために何が必要か、優勝した2年前とどこが違うのか、僕なりの考えはあるけれど、それはチームの外でメディアなどに語ることではない。チームを良くするためには、思うところがあれば監督と直接、話をすべきだ。ただし、何でも言っていいわけでもない。主張をぶつけるということは、何かを否定することにもなりかねないから。


 もう41歳で、これだけ長くサッカーをやってきて海外でのプレーも日本代表も経験しているんだから、何でも言えるし、言った方がいいと周りの人は思うかもしれない。でも僕はあくまで一選手。言ってはいけないこと、越えてはいけない一線がある。


 サッカー観は人それぞれだし、僕の意見は選手としての意見であって、指導者の目から見たサッカーはまた別のもの。選手は選手、監督は監督の領域で、日々全力を尽くすことがチームのためになるはずだ。