BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2006年03月28日(火)掲載

“サッカー人として”
2006年03月28日(火)掲載

国背負う重圧と喜び

 先週のモンテディオ山形戦(2006年3月21日)で今季初ゴール、そして初勝利。高木琢也監督にとっては指揮官として初めての勝利だから、たぶん一番喜んでるんじゃないかな。


 でも実は僕にはあまり充実感がなかった。もちろん勝てたことはうれしかったけれど試合内容が悪かったし、何より自分の調子が全然ダメ。別にPKでの得点だからうれしくないわけじゃなくて、動きの質も技術的にも反省点ばかりで何もできなかった。まあ調子が悪い時期は今までにもあったから、これから良くなると期待しているよ。


 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は楽しませてもらったね。特に2次リーグと準決勝の韓国戦は1回から9回までのめり込んで見てしまった。


 選手みんなが野球小僧に戻って、野球を始めたころの気持ちと日本人としての誇りを賭けて戦っていた。その姿はもうスポーツを超えて芸術。アスリートとしても人間としても学ぶことが多かった。帰国後の様子をテレビで見ていると、いい顔をしてたよね。充実感と、一つのことを成し遂げた達成感。正直な気持ちを語っていたよね。その直後のニュースで画面に政治家が出てくると、なんだかウソっぽく感じてしまったりして。


 日の丸を背負って戦うのは王(貞治)監督もイチロー君も初めてだと言っていた。そういう重圧を僕も背負っていた。そしてオーストラリアに行ったときも、横浜FCで戦っている今も日本のサッカーを背負っているという気持ちでやっている。だから決勝戦は一緒に戦っているような気持ちになった。自分の試合と重なってしまったから1回表しか見られなかったけれど、「後は託したぞ」という気持ちで移動のバスに乗り込んだよ。


 キューバではカストロ議長が選手を出迎えたというし、韓国では兵役が免除された。日本でも選手たちに報いる方法を考えてほしい。野球だけじゃなく五輪のメダリストや芸術、文化で日本に貢献した人たちに対して。別にお金じゃなくてもいいけれど、高速道路を造ったりダムを造ったり、そういう税金の使い方だけじゃなくてね。