BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2007年12月14日(金)掲載

“サッカー人として”
2007年12月14日(金)掲載

降格も歴史の一部

 天皇杯5回戦でJ2の愛媛FCに敗れ、今季が終わってしまった。決して満足できる一年ではなかったけれど、僕個人としてはシーズン終盤にフル出場の機会が増えて、いいコンディションでプレーできた。


 年齢を重ねた選手に対しては固定観念があって、疲れが見えるとすぐ交代させられることが多い。ただ、筋肉は使い切ることで状態が良くなるもの。無理をしないと、どんどん無理ができなくなってしまう。つまり僕らはマグロと同じ。マグロが泳いでいないと死んでしまうように、ピッチに立ち続けないと選手生命が終わってしまうんだ。


 もちろん、それは若いときから体を鍛えて、基盤ができていることが前提だ。使い切ってもらうことで自分自身がもっと成長できるとあらためて感じたし、その象徴が12月1日(2007年)のJ1最終節、浦和レッズ戦のプレーだったんじゃないかと思う。


 最下位の横浜FCがアジア王者に勝つなんて、浦和戦に向けて特別に調整していたんじゃないかと言う人もいる。でも僕らはいつもと同じ準備をして臨んだだけだ。愛媛戦の前までの5試合は2勝2分け1敗。チームの調子が上がる延長線上に浦和戦があったということ。高木琢也前監督、ジュリオレアル監督の下で積み重ねてきたものがパフォーマンスに表れたんだろう。


 今季、J1残留という目標は達成できなかった。でも舞台がJ1であれJ2であれ、サッカーはずっと続いていく。先日、京都サンガが3度目の昇格を果たしたように、20年、50年とクラブの歴史を築いていく途中にはいろいろな経験があるものだ。京都なら京セラ、横浜FCならレオックなど、クラブを応援し続けてくれる企業の力も大きい。


 リーグ発足から15年、今はまだ骨組みをつくる段階なんだと思う。最初の骨組みがしっかりできれば、あとは雪だるまのように大きくなる。今がどれだけ大事な時期か、きっと100年後にわかるんじゃないかな。


 僕らがやっていることは単なるスポーツを超えて、日本にサッカー文化をつくり上げようという挑戦だ。お金をかければできるものでもない。それに最初から携わっていることを、僕は誇りに思っているんだ。