BOA SORTE KAZU

  • Home
  • Message
  • Profile
  • Status
  • Column
Menu

BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2023年08月18日(金)掲載

“サッカー人として”
2023年08月18日(金)掲載

壁にぶつかってからがスタート

 ベスト8は怖いなと、女子ワールドカップ(W杯)であらためて感じた。ポルトガル遠征の際に応援に駆けつけた縁もあって、女子代表「なでしこジャパン」の戦いはずっと見守っていた。


 男子W杯でも、優勝候補に挙がるブラジルなどがつまずく難所が準々決勝のあたり。そこまで順調なときほど難しい。逆に1982年男子W杯のイタリアは1次リーグで3引き分け、2次リーグに辛くも滑り込むボロボロの状態だったのに、そこからアルゼンチン、「黄金の中盤」のブラジルも下して頂点にたどり着く。


 今大会も1次リーグで日本に屈したスペインが日本より先のステージ、決勝まで進んだ。なでしこはラウンド16まで4連勝、優勝ならば7連勝となっていたけど、あの手の大会で7連勝はどんなに強くても大変だ。かといって捨て試合をつくれば有利なわけでもなく、単純な近道なんてない。


 それでもW杯で4勝1敗のベスト8は立派だよ。とりわけ出場チームが32、日本が優勝した2011年の倍に膨らんでいる。難敵の数もそれだけ増え、米国やドイツでも苦杯をなめた。8強、4強、2強、その差は紙一重だったはず。


 ベスト8の難しさを知った経験を、次の五輪で成果へと生かしてほしい。「スウェーデンに負けたあの敗戦があったから」と振り返られるように。ここからの1年が、女子サッカーにはすごく大事になるんじゃないかな。


 欧州では新シーズンが始まって、オリベイレンセは開幕戦を3-1の白星で滑り出せた。ただし今季の始動日にいた選手は10人ほどで、3分の2の選手が入れ替わっている。昨季とまるきり同じスタイルで戦うわけにもいかず、監督も一苦労、頭をひねってチームづくりをしている。


 クラブハウスも自前の練習場もない。数カ所を流浪しながら練習し、冷水だけのシャワーを震えながら浴びる日もある。18年ほど前の横浜FCがこうだったね。トラブルのたびに「これじゃ困る」と選手の声を代弁して伝える役を、なぜだか僕が仰せつかっている。とはいえ何事も一足飛びには変わらない。少しずつ、まずは常に2部で戦えるクラブになっていけるように。


 リードされ、劣勢に立たされる。つまずき、壁にぶつかり、思うように事が運ばない。そこからが、スタートなんだよね。僕もここから始まる1シーズンを、コツコツと歩んでいきたい。