BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2007年06月15日(金)掲載

“サッカー人として”
2007年06月15日(金)掲載

実力を見せる難しさ

 平本一樹や山田卓也ら新戦力が横浜FCに続々と加わってきた。チームが好調なときでもケガ人や手薄なポジションを埋める補強はあるし、今のように結果が出ていなければなおさら必要だ。ただ、同じポジションの選手は心中穏やかではいられない。彼らのモチベーションを維持するのもチームとして大事なことだ。


 シーズン途中の移籍にはリスクもある。どんなに実績のある選手でも力を発揮できるとは限らない。実戦で試してみないと見えないものがある。チームメートとの相性や監督と考え方が合うかどうか、それに家庭の状況も大きな問題だ。外国人の場合、家族と離れていると調子が悪くて、奥さんが来日した途端に元気が出るなんてことも少なくない。日本人だと単身赴任の方がリフレッシュできるケースもあるようだけれど。


 三人までという出場枠がある外国人選手は厳しい立場だ。チームに30人の選手がいても、30分の1ではなくて3分の1の特別な存在と見られる。僕もイタリアではそうだった。チーム内の若手と同じ力しかなければ、長くても2、3年で帰ってしまう外国人をわざわざ使うことはない。特にFWはゴールというわかりやすい基準があるから、はっきりしていい面とシビアでつらい面もある。


 例えばガンバ大阪のマグノアウベスはここまで13試合4得点で調子が悪いといわれる。でも実際に対戦してみると、シュートをどんどん打ってきてDFにとって嫌な動きをする怖いFWだった。首位を走るチームの中で、昨季得点王という実績もある分だけ評価の基準値が高いのだろう。


 ときどき、野球選手はいいな、と思うことがある。サッカーではFWがどんなにチャンスを演出しても、無得点で負ければ給料に加算されるどころか査定はマイナスだ。それが野球の場合、チームが完封されても、自分がヒットを3本打てば猛打賞だし打率は上がる。チームとは別に個人の成績が積み重なっていく。


 もちろん常に数字がつきまとう大変さもあるだろうから、どちらがいいと簡単には言えない。すべてを合理的に数字で判断する米国的な野球と、90分間で1点を争う欧州的なサッカーというそれぞれのスポーツ性なんだろうね。