BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2020年06月19日(金)掲載

“サッカー人として”
2020年06月19日(金)掲載

変わりつつ、動き出す

 日常が戻りつつあるとはいえ、僕らを取り巻く風景は様変わりしつつある。


 ベンチプレスの次はスクワット、などと巡回しながら鍛えるサーキットトレーニング。器具を使ったら逐一、消毒してから次へと移る。バーベルを介在して感染が起きぬよう、万全を期す。この3カ月で一生分の消毒と手洗いをした心地になってくる。最近は指先がツルツルしてきて、ポリ袋をうまく開けられない。


 リモートマッチ(無観客試合)のリハーサルをしてみる。試合前は控室からピッチへ直行、あいさつは省略、タッチもなし。試合後もすぐ引き上げる。やってみると「ずっとこれでも、いいんじゃない」と思うものもある。負けたらタッチなどはほどほどに、とっとと帰りたいのが心情だもの。


 家でリモート勤務ができちゃうと、「これまで出社していたのは何だったんだ」と我に返る会社員も多いと聞く。サッカーも何かと無駄があるのかもね。サッと始まりパッと終わる、スッキリ・テキパキしたスタイルもいいのかもしれない。


 銀座の街では店員がフェースガード着用らしい。ちょっと色気が薄れるような。そのうち「エアーハグ」「エアーキス」なんて出てきそうだ。リモートラブが推奨されたらどうしよう。


 この3カ月、アスリートにとっては我慢の日々だったはず。試合の舞台は戻ってくるのか。目標をどう定めたらいいのか。ただし僕についていえば、そもそもこの約2年間が忍耐の時間でね。


 望むだけの出場機会に恵まれない。それでも出場のため毎日、練習と向き合う。変わらず、できることを。この癖がついていたから、思うに任せぬ新型コロナとの我慢比べにもいつも通り、向き合えた。「出場できず強いられる我慢」は喜ばしいものではないんだけれど、その経験はコロナの時代をやり抜く力をくれた。


 コロナが収まっても、たぶんまた次のウイルスはやってくる。僕らは共存、伴走しながらサッカーを進めていく。あれがダメだからこれもダメ、では誰も動けない。先行して成功例をつくれれば、周りも踏み出せる。プロ野球やJリーグ、興行や娯楽が少しずつ動き始めることで、世の中に明るさや潤いがもたらされるんじゃないかな。


 僕自身の状態は3カ月前よりもいい。練習で体重がごっそり2.5キログラム減る、そんな今まで通りのハードな日々で、再開へ備えています。