BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2016年02月12日(金)掲載

“サッカー人として”
2016年02月12日(金)掲載

目の前の1日を生きる

 カズさん、2016年はどんな年にしたいですか。この時期はよく聞かれるけれど、そう先のことを語る状況にないのが、この2月の偽らざる心境かもしれない。リーグ開幕へ向けた調整はスムーズとはいえず、昨年10月にケガをしてから実戦をずいぶん離れてしまった。久々に9日にセレッソ大阪との練習試合で45分間出て、これから練習試合を重ねるなかで体が耐えられるか、どう反応するか。


 昔はスケジュール通りに事が進まないと、とにかくトレーニングを積み重ねて、その自信で焦りを打ち消していた。でもそのやり方だけでは、体がきしんで逆効果になることもある。


 今の僕はクラシカルなレースカーみたいなもんだ。30年以上もレースを乗り回してきて、納車したての新車とは違う。タイヤ交換も必要だし、オイル漏れだってあるだろう。エンジンは水冷でなく、レトロな空冷かもしれないな。でもエンジン自体はちゃんとしている。使い込まれて蓄積されたフィーリングもあるから、レースを走れと言われれば、立派に走ってみせる。それが積み重ねというものだものね。ただ、レース前のチューニングからレース後のメンテナンスまで、昔以上にまめにやらないといけない。


 明日どうなるかを約束できない。だからこそ目の前の1日をいいコンディションでやり抜くことに集中している。朝起きてトレーナーと筋肉をほぐし、引き締める。練習して、またほぐし、冷やす。日々チューニングの繰り返しだ。「今日はいい練習ができたな」「今日はいい練習とまではいかないけど、ケガもないし、よしとしよう」。リアルに一日一日を生きている。


 無理して開幕へ合わせようともしない。年間42試合、焦らずに見据えたい。生きていれば想定していたコースから外れることもある。そんなとき、何かを1日や1試合だけで取り戻そう、取り戻せるとは考えない方がいいんだ。ある1日、ある1試合が良くても次もOKというわけじゃない。逆に1日悪かったからといって、その先もダメというものでもない。一日一日、良い要素だけでなく悪い要素も感じ取りながら進んでいきたいと思う。その心構えがあれば、どんな1日ともポジティブに向き合える。


 そんなわけで一歩一歩、新しいシーズンへと歩んでいます。