BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2015年03月13日(金)掲載

“サッカー人として”
2015年03月13日(金)掲載

「まずは勝つ」を続ける

 「内容はどうだっていい。絶対に勝つんだ」。J2開幕の群馬戦、キックオフの円陣で発破をかけた。割り切ったサッカーをしようぜ、と。これがいい方向に出た横浜FCは戦うスピリットを前に出し、1―0で勝った。先発した僕も前線から離れることなく仕事ができた。


 30年間、いろんな開幕を経験している。この時期はどのチームも「よし、いくぞ」とベクトルが1つに向いている。ただチームは水物といえば水物で、プレシーズンで絶好調のチームが開幕から負け続ける。キャンプで散々だったはずが、ふたを開けると快進撃する。案外、危ないのが「内容はいいのに結果は良くない」パターン。いい試合をしつつ、ずるずると数カ月結果が伴わないのはまずい。


 理想をいえば、「理想のサッカー」で勝つのが一番だ。でも勝負事の現実はそうならない。だから勝っていきながら理想に近づけていく方がいい。どんな勝ち方でも、勝てばチームは良くなっていくものなんだ、不思議とね。理想だけ求めても理想に近づくとは限らないから、チームは難しい。


 見る側に回るのなら、僕は断然、いいサッカーがみたい。でもやる側の僕はいいサッカーで満足できない。自信や勢い、いろいろなものは勝たねば身につかない。あれだけ自分たちのペースで進めた群馬戦は引き分けで終えては絶対にダメだった。良い試合ができた、で終わらず、「勝った」で締めねばならなかった。


 1つ勝つ。それを続ける。うちみたいなチームは特にそうだ。1戦目が良く、2戦目は悪く、またちょっと良くなって再び悪く……という数年来の浮き沈みを繰り返すようなら「またか」「横浜FC、変わっちゃいないな」となっていく。もちろん何事もそんな簡単には変えられない。でもメンタルの浮き沈みをコントロールすることなら自分たちでできる。開幕戦と同じ「いくぞ」と戦う姿勢なら貫ける。勝負にこだわることを最低限続けないとね。


 去年は4分間の出場だったのが、1試合目で先発して65分走り続けた。悪くない滑り出しだけど、交代した瞬間に忘れて、次へ目は向いてます。2試合目、ホームで何を見せられるのか。大事なのは次、またその次。


 年がいもなく少し緊張した開幕戦でしたが、ピッチに入れば至って普通でした。