BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2006年01月31日(火)掲載

“サッカー人として”
2006年01月31日(火)掲載

サッカー人として

 24日から30日まで(2006年1月24日~1月30日)横浜FCのキャンプでグアムにいた。真夏のような日差しの下で早朝、午前、午後の3部練習。サッカー部というより陸上部みたいにしぼられた。


 体づくりに主眼を置くこの時期、疲れはしても気分は爽快(そうかい)だ。リーグが始まると試合に出た出ない、勝った負けたが日常になりどうしてもストレスがたまる。弱いチームだと3月、4月にはもう雰囲気は最悪なんてこともある。毎年この時期に思うのは、開幕前はどのチームにも等しくある情熱や意欲、希望を、シーズン終了の12月になっても持ち合わせているチームはほんの一握りだということ。今季こそ、その一握りの中に入っていたい。


 今季からJリーグ初の「選手兼監督補佐」になった。よく「何をするのか」と聞かれる。一言で説明するのは難しいが、僕自身は「クラブキャプテン」と解釈している。サッカーではチームの柱の「チームキャプテン」と、実際にピッチに立って試合をリードする「ゲームキャプテン」が別だったりするが、欧州ではさらにその上にクラブの顔、象徴的なクラブキャプテンがいる場合がある。


 実際、移籍交渉で1999年にスコットランドのヒバーニアンというクラブを訪れた時、クラブキャプテンを名乗る選手に「困ったことがあったら何でも相談して」と言われた。会長や監督と選手の間でパイプ役になり、お互いのコミュニケーションをスムーズにする役目なのだろう。僕が持つイメージもそれ。


 横浜FCには城(彰二)というリーダーがいる。でも、彼もまだ30歳、一選手としてガンガンやってほしいし、僕が何か引き受けることで彼の負担も軽くなるかもしれない。パイプ役といっても上から下へ、下から上へスルーするわけじゃなくて、「これは選手の甘えだな」と思ったらガツンと退ける気だし、逆に監督に「これはまずいですよ」ということだってあるかもしれない。その辺のさじ加減はプロ21年生の経験を生かせると思う。打算抜き。そうするのは、ただ、勝ちたいからなんだ。